子育てに自信のあるママなんて、どこにもいない!家庭教師・塾講師、東大生・早大生を育てた母であり、子育てセミナーを主催する楠本佳子さんに教わる連載コラム「能力をのばす子育て」。31回目は「母親の言葉」について。

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あなたが母親だったらどう言う?

スティーヴン・キングと言う作家を知っていますか。特にホラー小説で有名で「IT(イット)」、「キャリー」、「グリーンマイル」、「スタンドバイミー」など映画化もたくさんされています。

ホラー映画や小説は怖くて見ることも読むことも私はできませんが、なぜこんなにたくさんの小説を書くことができるのか非常に興味を持っていました。

そんなとき、彼の著書『書くことについて』を見つけ読んでみたのです。彼の小さい頃からのお話が書かれており、その小さい頃のお母さんの一言に衝撃を受けました。

ある日、彼が書いた文章をお母さんに見せたそうです。すばらしい出来栄えに

自分で考えたの?

と聞いてきたお母さんに

自分で考えて書いたのではなくコミックから写した。

と彼は白状しました。お母さんはがっかりし、彼はしょんぼりしてしまいます。

一生を支える母親の言葉

ここであなたがお母さんだったら、子どもに向かってどう言うでしょうか?私は「そうなんだ、写したのね。」ぐらいしか言わないような気がします。あるいは「やっぱりね。」などと言ってしまうかもしれません。

ところが、彼のお母さんは

お前ならもっといいものが書けるはずよ。自分で書きなさい。

と言ったのです。「僕は母の言葉に無限の可能性を感じた。」と彼は本に書いています。お母さんの言葉が今もなお、彼を支えているのです。

学歴も裕福さも関係ない!

彼の家は決して裕福ではありませんでした。父親が莫大な借金を残して行方をくらました、母子家庭だったそうです。学歴や経済的なことは全く関係ありません。

「母親の言葉」というのはすごいもの、「母親」とはそれほど影響力があるものだと改めて思いました。それはたわいない親子の日常会話の中にあるのでしょう。

子育てが終わった今、「私は子どもに対して人生を支えるような言葉を言えたか」を考えてみると、全く言えなかった気がします。

子育て真っ最中のみなさんは、まだまだ伝えるチャンスはいくらでもあるということです。

この記事を書いたライター

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楠本佳子さん

こどもみらい塾(岡山)」塾長。自身の子育てや教育経験を活かし、ママを対象としたセミナーや個別相談も行っている。著作に「12歳までに勉強ぐせをつけるお母さんの習慣」>ホームページはこちら

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