子育てに自信のあるママなんてどこにもいない!家庭教師・塾講師、東大生・早大生を育てた母であり、子育てセミナーを主催する楠本佳子さんに教わる連載コラム「能力をのばす子育て」。36回目は子どもの宿題に関して読者のお悩みに答えてもらいました。

question学校から帰宅後、自分から宿題や明日の準備をしない娘。小1なら口出ししても良い?

小1の娘は、帰宅後に自分からは進んで宿題をしません。時間割を見て明日の準備もしません。今までは私が促していましたが、そろそろ自分からやり始めるような素振りでもいいからしてほしい、なんて思います。

これは要求しすぎでしょうか?まだ1年生なので、親が促しても良いのでしょうか?私が口を出しすぎてもいけないとは思いつつ、しかし自分からできるようになるまでは時間が必要だから、今はまだ私から言って準備させるのがいいのか…。悩んでいます。

(小1・女児のママ)

“言われてからやればいい”という思考になっているかも

「これは要求しすぎでしょうか?」とありますが、いえいえ、要求しすぎどころか幼稚園でも保育園でも帰ったら自分のカバンを所定の位置に置く、ということはできます。むしろきちんと習慣づけなくてはいけないことです。

いつもいつも「親に言われてからでないとやらない」というのは、もうその癖・習慣ができてしまっているのでしょう。

お母さんが言ってから動けばいい

という思考回路を子どもに作ってしまっているもかもしれません。

押してダメなら引く!あえて何も言わない日を作ってみる

自分から準備をしない習慣がついてしまった場合、促すのではなく、反対に何もせず、子どもがやっていることを阻止してみるのはいかがでしょう。

まず所定の位置にカバンを置いていないなら、お母さんも何もしない。おやつを勝手に食べたら取り上げてみたり、テレビをつけたら消したりしてみるなど。そして優しくにっこり「カバンを片付けてからね」、「宿題をやってからね」と言います。

同じ行動ではうまくいかないと思ったら、いろんな行動に出てみてください。押してダメなら引いてみろということです。

また、言葉のかけ方もいろいろ変えてみると良いと思います。その中で一番効果があったものを生活に取り入れてみてください。

反対に、1日全く何も言わないのもいい経験です。人は実際に自分が経験しないと、どんな困ったことになるか分からないものです。1日くらい忘れ物しても宿題をしなくてもいいではないですか。困るのは子ども自身。

どんなことになるのか、身をもって体験させるのもいいかもしれません。

何事も最初が肝心。習慣づけるなら早くから

なんと言っても、最初が肝心です。小学校に入ったら、帰宅後すぐにカバンの中身を全部出す、宿題に取り組む、宿題が終わればカバンにしまって、明日の用意という風に習慣づければ、子どもも毎日同じ流れを作ることができるので、楽になります。

自分のカバンを片付けるのは幼稚園、保育園へ通い始めた頃からきちんとさせておくと良いです。

できて当然のことなのです。幼稚園や保育園では自分のカバンを放置していませんよね。朝、登園したら所定の場所のしまうはずです。みんなが放置していたら、先生は大変ですからね。それは家庭でも同じことです。

「うちはもう手遅れ…」と悲観することはありません。家庭でも、気づいたときから習慣づけをはじめましょう。

この記事を書いたライター

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楠本佳子さん

こどもみらい塾(岡山)」塾長。自身の子育てや教育経験を活かし、ママを対象としたセミナーや個別相談も行っている。著作に「12歳までに勉強ぐせをつけるお母さんの習慣」>ホームページはこちら

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