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手作りおもちゃで指先の運動を促す

以前のコラムで生まれてから4歳半ごろまでは「運動の敏感期」であり、1~2歳ごろは特に指先や手の動きに夢中になる年頃であることを説明しました。

運動の敏感期とは

運動の敏感期について詳しくは拙著「子どもの才能を伸ばす最高の方法 モンテッソーリ・メソッド」でも解説していますが、日常生活に必要な体の使い方を集中して学ぶ時期です。

運動を大きく分類すると

  1. 体全体を動かす(粗大運動)
  2. 手や腕を動かす
  3. 指先を動かす(微細運動)

の3つに分けられ、とりわけ1~2歳は指先や手の運動に夢中になる時期。たくさん指先を使うことで動きが洗練され、のちに道具をスムーズに使うことができるようになります。

1~2歳の子どもが特に大好きな活動

  • にぎる
  • つかむ
  • ひっぱる
  • つまむ
  • 入れる

この中から、「ひっぱる」という興味を満たすおもちゃを作ってみます。

簡単!「ひっぱり箱」の材料と作り方

丸型の箱とひもを使ったおもちゃを作ってみます。

材料

  • ひも 手芸用のひも(太さ:約10ミリ 長さ:2メートル程度)
  • 箱 フタ付きで丸型
箱は100均で購入。使いやすさを考慮すると丸型がベスト。大きさはひもを全部入れても少し余裕がある程度
ひもは太めが掴みやすいので、10ミリのものを使用

材料選びのコツ

  • 「ひっぱる」ことに集中できるように、シンプルな色・柄の箱を選ぶ
  • ひもは子どもの手でつかみやすい太さ、素材を選ぶ
  • 箱は両手で抱えたり、股の間に挟んだり子どもが使いやすい丸い箱を選ぶ
  •  

作り方

  1. 箱のフタを裏返して、ひもが通る穴を開ける位置に印をつけます
  2. 箱を裏返して、底にも同様の印をつけます
  3. カッターで、印を付けた両方の場所に穴を開けます

  4. ふたの裏側から表へとひもを通します

  5. ひもが外れないように端に玉結びを作ります
  6. もう一方の端を箱の底の内側から外側へと通し、端に玉結びを作ります
  7. ひもを箱の中に収納し、フタを閉めて完成です


  8. 底側から見るとこんな感じです

子どもと遊んでみよう

子どもが見ている前で、大人がまずやり方を見せます。コツはしゃべらずに、動作をゆっくりと見せること。

  1. 座っている子どもを後ろから抱え込むように大人が座り、箱を子どもに見えるように持つ。足の間においても、ひざの上にのせてもOK
  2. ひもの端をつかみ、少し引っぱって見せる
  3. 子どもにひもを手渡し、あとは子どもに引っぱらせる
  4. ひもを全て引っ張ったら、箱を裏返す。
  5. 次に反対側からひもの端を少し引っぱって見せる
  6. 子どもにひもを手渡し、あとは、子どもが繰り返して遊びます
  7. 写真は想定よりも少し年齢が上の子どもなので、片手で箱を押さえてもう一方の手でひもを引いています。

    小さな子どもの場合は一度に二つの動作は難しいかもしれないので、大人が子どもの後ろから抱え込むように座って箱を持ってあげるとやりやすいです。

    子どもが首にひもを巻きつけないように注意して遊んでくださいね。子どもの指先の発達の度合いにあわせて作ってみてください。

この記事を書いたライター

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堀田はるなさん

モンテッソーリ原宿子供の家・モンテッソーリすみれが丘子供の家教員、保育士。アパレル業界、eコマース、金融など様々な業種でのマーケティング業務を経験後、教育の道へ転身。日本モンテッソーリ協会承認モンテッソーリ教員免許取得。著作「子どもの才能を伸ばす最高の方法 モンテッソーリ・メソッド」。

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