2018.04.17
言うことを聞かない男の子にママはいつもイライラ。でも困った行動をやめてもらうには、叱るよりも効果的な方法があります。今回から困った行動の対処法をシリーズでお届けします。第1弾は「子どもの好き嫌いを克服する方法」。もちろん女の子にも使えます。
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悩むママ多数!「子どもの好き嫌い」
子育ての悩みで多く聞かれるのは、食べ物の「好き嫌い」。特に、野菜嫌いには手を焼くことも。あまりに偏食だと、栄養が偏るんじゃないかと心配です。
厚生労働省の調査によると、保護者の約3割が子どもの偏食に悩んでいるそう。実にたくさんのママが抱えている悩みなのです。
なぜ子どもは好き嫌いをするの?
子どもは味覚に敏感
子どもは、酸っぱい味や苦い味のする食べ物が苦手。これは、子どもの方が大人よりも「味蕾(みらい)」と言われる「食べ物の味を感じ取る舌の器官」が多く、味に敏感だからです。
大人なら気にならないようなほうれん草やピーマンも、子どもにとってはイヤな味のする食べ物なのです。
見た目、臭い、食感がキライ
味だけでなく、食べ物の形、大きさ、量に子どもが戸惑いを感じることもあります。特に、お箸やフォークで上手に食べられない大きさの食べ物は、避けてしまいがち。また、盛り付ける量が多すぎると、うんざりしてしまうことも。
このように“見た目で判断”することもあるため、食べ物の見た目はとても大切です。さらに、その食べ物の臭いや食感がキライなこともあります。
この他にも、食べる意欲をなくす原因となるものがあります。
それはズバリ“食事のときに叱られる”こと
実は、子どもが一番叱られることが多いのは食事の時間なのです。
- 姿勢良く食べて
- お箸をちゃんと持って
- こぼさないで!
- ホラ、左手!
- お茶碗持って
親は食事のマナーを教えたいだけなのですが、叱られてばかりいると食べる意欲がなくなってしまうのです。
では、子どもの好き嫌いをなくすにはどうしたらいいでしょうか?
子どもの好き嫌いを克服する方法
具体的に好き嫌いを克服する方法を3ステップでご紹介していきます。
「子育て3ステップ会話法」は、「ステップ1」→「ステップ2」→「ステップ3」の順に進めていきます。子どもの困った行動がなくなった時点で、ステップは終了です。
ステップ1:子どもに共感する
食べられないことを責めるのではなく、食べられない子どもの気持ちに寄り添いましょう。ママに気持ちを分かってもらえると、子どもは安心し「ちょっと頑張ってみようかな」とやる気が出てきます。
ステップ2:ママの気持ちを伝える
「ステップ2」は、「理由+ママの気持ち」という形で伝えます。たとえば、「○○だから(理由)、ママは△△なの(気持ち)」というようにです。
「~だと残念」「~だから心配」「~だとうれしい」など、ママのそのときの正直な気持ちを伝えましょう。ママの気持ちを知った子どもは、この後自分はどうすべきかを考え始めます。
ステップ3:アイデアを出し合う
「ステップ1」→「ステップ2」を試しても解決しない場合は、どうしたらよいか親子でアイデアを出し合います。
「ステップ3」を始めるときは、ママから「じゃあどうしたらいいと思う?」「なにかいいアイデアはあるかな?」などと切り出しましょう。
そして、たくさんのアイデアが出たら、その中からお互いに賛成した解決策を選びます。ママから「いいから食べなさい!」と強制されるのではなく、自分が納得して選んだ解決策なら、子どもは自分から進んで実行してくれるようになります。
そうすると、子どもの方から「ケチャップかけて食べる!」などというように進んで食べてくれるようになるかもしれません。
このとき、ひと口でも食べてくれたら、「やったね!」「がんばったね」「食べられたね」とほめてあげましょう。
それでも食べられないときは
どんなに頑張っても、食べられないこともあります。誰でも無理強いをされるのはツライもの。このようなときは、成長して食べられるようになるまで見守りましょう。
栄養は他のもので摂ればいいのです。子どもの好き嫌いにはさまざまな理由があり「自分のせい」とママが思い悩む必要はありません。
食べさせるためにバトルしていると、お互いに疲れ果ててしまうだけ。
肩の荷をおろして、子どもが小さいころは食事を楽しむことを大切にしていきましょう。
この記事を書いたライター
ライター一覧- 佐藤麻依子さん
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大学院3年生と大学2年生の男児2人の母。子育て&中学受験カウンセラー歴18年。「子育て3ステップ会話法®」を考案。著書『男の子のための魔法のこえかけ 3ステップしつけ法』。独自のコーチング講座や子育て心理学協会の「ココロ貯金®」講座を提供。イヤイヤ期・思春期・反抗期・受験期の悩みを解決します!