2018.06.15
モンテッソーリ教育において欠かせないキーワードである「敏感期」。その中でも生まれてから4歳半までの「運動の敏感期」と呼ばれる時期にぴったりなおもちゃの作り方・遊び方をご紹介します。
index目次
「運動の敏感期」とは?
初回の記事では、生まれてから4歳半ごろまでは「運動の敏感期」であり、1~2歳ごろは特に指先や手の動きに夢中になる年頃であることを説明しました。
また、指先の動きを洗練させることは、のちにはさみや鉛筆などの道具を使うための準備運動になりますので、日頃からたくさん指先を使うことを習慣にしたいものです。
(「敏感期」については、拙著で詳しく紹介しています)
1~2歳の子どもが特に大好きな活動
- 「にぎる」
- 「つかむ」
- 「ひっぱる」
- 「つまむ」
- 「入れる」
今回はこの中から「つかむ」という興味を満たすおもちゃを作ってみます。
手作りおもちゃ「ポンポンのつかみ取り」
材料
- プラスチック容器(広口のもので、透明が良い)
- 布製アームカバー(プラスチック容器の口の部分に被せられる大きさのもの)
- ポンポン6~8個(子どもがつかみやすく握りやすい大きさ、柔らかい素材)
- かご(取り出したポンポンを入れるためのもの)
作り方
- 容器のふたを取り外す
- アームカバーをカットする
- 容器の口にかぶせて固定する
- ポンポンを容器に入れる
- かごをセットする
子どもと遊んでみよう
子どもが見ている前で、大人がまずやり方を見せます。コツはしゃべらずに、動作をゆっくりと見せること。
- 容器を見せ、中に入っているポンポンを示す
- 入り口から手を入れ、ゆっくりとした動作でポンポンをつかむ
- ポンポンを握り、容器から取り出す。ポンポンをかごに入れる
- 子どもが手を出したら、あとは任せて見守る。手を出さないようなら、ひとつボールを渡して穴を指し示したり、子どもの手を取って一緒に入れてみる
- ポンポンをすべて取り出したら、大人がかごからポンポンを取って、容器に戻す
- 残りのポンポンを容器に戻すのは子どもに任せる
- 繰り返してやってみよう!
やり方を見せるときのポイント
- 動作を見せるときはゆっくりと。しゃべらない
- 子どもが自分でやり出したら、任せて見守る
- ポンポンを容器に戻すところも子どもにさせてみる
応用
- ボールの大きさを小さくしてみる
- 球体以外の立体を使用する(化粧用のスポンジで立体のものを使うのも良い)
- 中身が見えない容器を使い、手の感触を頼りにポンポンを探す
手の全体を使って物をつかんだり、握ったりを繰り返していくうちに、だんだんと指先だけでものをつかんだり、つまんだりができるようになって行きます。
このころの子どもは指先の運動の敏感期ですから、ちょうど興味のある活動を用意してあげると繰り返して行います。
おもちゃ作りを通して、親子のコミュニケーションを密に
いくら簡単に作れるおもちゃでも、材料の用意などそれなりに時間がかかります。多忙な毎日にそんなヒマはない、というのが正直なところだと思います。
でも、限られた時間だからこそ子どもとの大切な時間を有意義に過ごせるといいですよね。
手作りおもちゃには親子のコミュ二ケーションを密にする効果もあります。手作りしようと考えれば、わが子の発達に合わせた難易度というものを考えます。
「これは簡単すぎるかな?」「楽しく使えるかな?」その答えを知るために、おのずと子どものことをよく観察するでしょう。
作ったおもちゃに子どもが夢中になっている手応えがあれば、「やった!」といううれしい気持ちが湧いてきて、次もまた何か作ろうというモチベーションに繋がります。
作ったものが簡単すぎる(または難しすぎる)なら、オリジナルの改良を加えていくのも楽しいものです。
おもちゃ作りを通して親子のコミュニケーションも増えるのですから、実はいいことずくめ。次はどんなおもちゃを作ろうかな♪と子どもと一緒に考えてみるのもいいですね。
この記事を書いたライター
ライター一覧- 堀田はるなさん
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モンテッソーリ原宿子供の家・モンテッソーリすみれが丘子供の家教員、保育士。アパレル業界、eコマース、金融など様々な業種でのマーケティング業務を経験後、教育の道へ転身。日本モンテッソーリ協会承認モンテッソーリ教員免許取得。著作「子どもの才能を伸ばす最高の方法 モンテッソーリ・メソッド」。