思い出作りをはばむ 内なる敵は...

さあ、休日です!

動物園、水族館、牧場、大きな公園、テーマパーク、家に閉じこもっているのはもったいないし間が持たない。行きたいところはたくさん、体験させたいこともいっぱい。

なのですが。。。

目的地までのアクセス、所要時間を調べてあまりに大仕事だと、とたんに「うわ、めんどくさ。やめやめ!」となることも、少なからずあります。

飽きっぽくて元気いっぱいな子どもたち、交通機関で長い時間おとなしくさせておくのは一苦労。個人的には、それだけで全工程の8割くらいの労力を使ってしまう気がするほど、苦手です。

とはいえ、車を持たない我が家、電車移動対策は、楽しい思い出づくりのためにはどうしてもクリアしなければならない課題です。

対策その1:大移動には「えきねっとトクだ値」フル活用でグリーン車も!

周囲にあまり迷惑かけず、こどもたちも快適に、スムーズな移動のために実践していること、どのご家庭でもたくさんあると思います。我が家の場合は。。。

1)環境整備
常にもぞもぞ動いて基本的に暑がりなこどもたち。着脱しやすい服装を心がけ、帽子、手袋、イヤーマフなど、なくしやすく、母にも子にもストレスな小物はなるべく持たないか、取り外して保管してます。ただでさえ荷物は多くなりがちなので、とにかく身軽に。

そして、きつい、せまいも不機嫌の元になりやすいので、混むシチュエーションは全力で回避します。

朝はやや早め、帰りは、まだあと1時間半ぐらいは余裕で遊べそう、というぐらいのところで、もったいないけど、早めに撤収。

実家への帰省など大移動もワンオペが基本の我が家、予め仕事の算段をしておいて、夏も冬もピークを1カ月ぐらいはずしてお休み計画を組み立ててます。

とはいえ一人で二人を追い回しながら自由席で座席と荷物の確保を3時間超は、さすがに難易度高すぎ。年に1回か多くても2回、次女が5歳ぐらいになるまでの期間限定、ここは自分にもごほうび、お金使っていいところ!!と割り切って、新幹線、グリーン車!2席!!清水買いして移動しちゃったりしてます。

指定席なら幼児でも有料、しかもグリーン車料金は子供も大人も同額、痛いことは痛いのですが、えきねっとの「トクだ値」、しかも、我が家の場合なら、「お先にトクだ値」で30%割引をねらえば、パパママ大人二人が通常料金で自由席に乗るよりリーズナブルな金額で母娘3人のラグジュアリー体験が叶ったりもします。

◆おとな二人自由席(通常料金)
乗車券 7,880円
特急券 4,960円 
12,840円×2=25,680円

◆母+こども一席ずつグリーン車(お先にトクだ値30)
乗車券+特急券+グリーン券セット価格
おとな:11,850円
こども:7,350円
合計:11,850円+7,350円=19,200円

とはいっても、そんなときに限ってだっこ虫の次女が「だっこイヤ、自分で(直接いすに座りたい)!!!」とか言い出し、広い座席に二人の姫を機嫌よく座らせ、母親は座席の足元に奴隷のようにかしずくいつもスタイルにはなってしまうのですけどね。

でも、グリーン車の閑静な空間にいると、こどももなにかを感じるのでしょうか、そうバカ騒ぎはしない気がします。

母の心にある「高いお金を払っていい環境を買っている人に迷惑かけちゃいけない」という緊張感や、「自分はいまきれいでステキな場所にいる」という特別感を、こどもながらに感じ取っているのかも。

だとするなら、大奮発の移動自体も、ひとつの貴重な経験といえるのかも知れません。いや、それでも高いけどね。

このトクだ値、年末年始、お盆、大型連休期間だって時間帯によっては割引設定があるし、乗車券だけでなく特急券、グリーン券も全部がそれぞれ割引になるので、ほんとに助かります。いまウェブサイトみたらさらに「お先にトクだ値スペシャル」なるものが期間限定で設定されており、割引率はなんと50%とのこと!

使う電車が対象になる方には見逃せませんね。

対策その2:ひまつぶしネタは動的に調達

2)ひまつぶしネタ
あれこれ考え厳選した絵本やおもちゃも、こどもたちのそのときの気分にマッチしなければ瞬時にただ場所をとるだけのお荷物になりさがってしまいます。

なので最近は考えを変えて、どんどん変わりゆく景色など、目にはいってくる動的なものに手当たり次第に関心を向けさせるよう、トーク一本でどこまでいけるか、トライしています。

・あの雲、何に見える?
・飛行機どっちがたくさん見つけられるかな?
・次、トンネルになったら窓に面白いお顔してみて!
・虹だー!(写真:うっすらダブルアーチ)
・電車いっぱいとまってるね。何色がすき?
・えーと、お空にUFO、いるかもよ?探してみて。
・あっ・・・?あれなに?(なにもないけど)

うまくはまれば延々と姉妹でおしゃべりしながら楽しんくれます。エキサイトしすぎて大声になることもあるので、そうなったら軽く制止が必要ですが。

吊り広告や交通広告のステッカーもネタになりますが、乗客に関心を向けはじめたときは要注意!

2歳の次女は、なぜか長髪、ガン黒、テカリ肌、白シャツのボタン3つぐらいあけちゃう系の「セクスィー部長」(サラリーマンNEOのキャラ)みたいな男性が大っ嫌い。

めざとく発見するや、どんなに離れていても指をさして大きな声で「ママ!あの人、気持ち悪いね!!!あの人だよ、ほら、あーのーひーと!」と注意喚起してきます。

セクスィーご本人は完全に自分のことだと気づきつつ、プルプルしながらかっこつけ続けてるし、周囲は全力で無関心を装ってるし、本当に肩身が狭いです。

しかし、2歳児とセクスィー部長、接点なさそうなのに、一体どこでそんなに嫌いになったんだろう。前世???

そんなこんな、やりすごしていきますが、どうにも間が持たなくなれば、あまり汚れない、散らからない食べ物与えたり、携帯タブレットで動画見せたりと、お決まりの最終手段を使うことになっていくわけです。

その上で、万策尽き、どうしてもダメ、すみません、お手上げです、ってことも、残念ながらやっぱりあります。

選択可能ならシンプルに一回降りてみるという方法もあり得ますが、その他に、あとなにができるのか。

対策その3(になるか?):通知

そもそも、子供連れて電車に乗るのって、なんでこんなにしんどいんだっけ?対策立てるにあたり、原因のところを考えてみると、もしかして、「子育て」という大義名分があるがゆえ、いろんな義務感や価値判断がプラスされてしまうから、なのかもと思ったりするのです。

「子育て大変、だから配慮してもらって当然」

なーんて思っているベッタベタな悪キャラ、身の回りを見回したって、現実にはほとんどお見かけしません。もちろん、世の中広いし、まったく存在しないとまでは言えないのかもしれないけど。

でもまあ基本的には、ハリーポッターに出てくる「あのお方」ぐらいフィクションの世界のキャラではないかと思うのです。

でも、知らない人同士が、クローズドな環境で、なにかを少しずつガマンしながらじっとしていると、こどもの粗相にちょっとした気の緩みを見せただけでも、ふと、(おいおい、親はいったいなにをしているんだ)と親としての姿勢、みたいなとこからつっこみいれたくなったり、楽しくウキャウキャしてる様子が(公共の場で我が物顔に…)とうつってしまったり、はたまた、そんなこと、実際には思われていないのに、こどもをつれた側が勝手に(あ、今、私、『そういう人』だと思われたかも)と疑心暗鬼になり自分で自分を追いこんでしまったり。

空想の世界の「あのお方」をぼんやりイメージしながら、互いに黙々とややこしい妄想を膨らませ合ってしまうのかもしれず、それがつらさ、苦しさの原因になるのかも、と思ったりするのです。

だとするなら…。

泣いても気にしてないよーと伝えるためだけにピヨピヨアプリ開発してくれる人だっているような優しい世の中です。もう少し心を開いて、自分がいま何を考えていて、これからなにをするつもりなのか、自分のほうからオープンに開示し、理解を求めていくって方法もあるのかな、とも思うのです。

最近は、子供に語りかけるとき、少しだけ声を張り、さりげなく実践してみております。

◇電車に乗り込むとき
「さあ、これから◯◯に行こうね。この電車は、1、2、3、4つめの◯◯駅で降りるよ」

(→4駅でおります。今しばらくご寛容くださいますようお願い申し上げます)

◇ドア横のコーナーがとれず座席の前に立つことになったとき
「長女ちゃんは背中をしっかりつけて座っててね。座ると次女ちゃん抱っこ紐がきつくなって泣いちゃうから、ママは長女ちゃんの前に立ってるからね」

(→いま、たまたま席の前に立ってしまってますが、譲れってプレッシャーかけてる訳では毛頭ありません。立ってるのが都合よくて立っておりますので、お気遣いなくお願いします)

◇飽きて騒ぎ出したら
「あと◯駅だよ。電車の中は静かに休んでいる人もいるからもう少しだけおしゃべりがまんしようね」

(→うるさくしてすみません、あと○駅です!もう少しだけご容赦ください)

◇携帯でなにか調べ物をしたいとき
「ママはちょっと次の電車の乗り換え(目的地のアトラクションのタイムスケジュールという場合もあり)調べるから携帯見るね。少し待っててね」

(→育児放棄してません。遊んでません。対応する気、もちろんあります!)

ビジネスの場面でも、誰に、なにを、どんなふうに伝えるかはとても重要なので、契約書などには、「通知」というテーマで条項がひとつ設けられることもあります。

書面または電磁的記録(メールとか、ですね)によりログ残さないとダメとか、この部署のこの人のこのアドレスに送らないと「通知」とは見なさないとか。

いずれ、自分も受け取る相手も困らないよう、必要なことが、明確に伝わることが大切、ということなんですね。

たとえそれがたまたま同じ車両に乗り合わせただけのもう二度と会わない人に対してだとしても、伝えてみることでお互い少しだけ納得して気分良く過ごせるなら、通知、試してみてもいいのかも、と思ってます。

やってみると、自分としては、そうして言葉にすることで、疑心暗鬼や妄想からは解き放たれ、だいぶ気が楽になりました。

いやいやいや、そのつぶやき自体がさらに騒音、とか、被害者妄想や自意識過剰がうざい、とか、誰もお前なんか見てない、とか、異論はたくさんあると思うので。謹んでお受けします。あくまでもひとつの仮説として。です。

お降りの際は、お忘れ物のございませんように

電車といえば、2015年12月6日、川崎駅と立川駅などを結ぶ南武線を走っていた205系という車両がインドネシアのジャカルタに譲渡されるときの、車掌さんの最後のアナウンスが話題になりました。

『ただいまご乗車いただいておりますこの車両は、本日をもちまして南武線の営業運転から引退し、今後はインドネシア・ジャカルタに渡り、走り続けることとなります。まもなく終点の武蔵中原です。電車をお降りの際は、お忘れ物のございませんように、また、この電車との思い出もお持ち帰り頂けたら幸いでございます』

どこにいくにもみっちり密着の子連れ電車の旅、思うに任せないときは、果てしなく続く苦行のように思えてしまうこともあります。

でも、成長とともに旅のお供のお役目は、友達、恋人、こどもたちが築く家族へとどんどんバトンタッチし、もう戻ってはこない。

親子電車の最終ランは、思っている以上にすぐ間近に迫っているのかもしれませんね。

期間限定の親子電車、余計な荷物はなるべくおろし、どなた様もお忘れ物のございませんように。

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たかままさん

「保育園児ママの今こそ育児の青春時代!」がモットーの更年期ちらつく歳女(としおんな)。不条理だらけのワンオペ育児、ビジネス文書でみかける用語で考察してみたいと思います。

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