/ 2023.03.04

こんにちわ、看護師ママのきりぬきです。

今年に入って、わが家の長女は4歳の誕生日を迎えました。生まれてきてくれた瞬間の感動は今でも忘れていませんが、出産直後から「右前腕にいちご状血管腫があります。」と告げられ、良性の腫瘍で自然に消えてなくなることが多い一時的なものと知っていても、母親として治療を受けさせるべきかどうかかなり悩んだ時期がありました。

特に1歳半になるまでは検診や予防接種で近医にかかる機会が多く、経過を診てもらっていたのですが、「これだけ大きいと治らないでしょうね。」「消えないと思っていてください。」と大学病院の紹介状を持って受診するよう勧められたこともありました。

すくすくと成長していってくれるのは嬉しかったのですが、医者に治らないことを強調されると、母親として精神的に落ち込みました。

「この子の将来にずっと付きまとうのだろうな。」と、外見にコンプレックスを持ってしまったらかわいそうだと思い、書いてもらった紹介状を頼りに大学病院に連れて行ったこともありました。

しかし、いちご状血管腫の主流な治療法であるレーザーの照射は、小さい子供が暴れないよう全身麻酔を使って1日がかりで行われていることや、何度も繰り返し照射が必要で通院しなければならないことを考えると、わたしは必ずしも治療が必要なのかと疑問に思うようになりました。

看護師としての臨床経験から、全身麻酔を繰り返し行うことはリスクと負担が大きいので、わが子に万が一のことがあったら…と不安や心配でいっぱいになりました。

そして悩みに悩んだ末、大学病院での治療は行わない=いちご状血管腫はそのまま残すことを選んだのです。

「それどうしたの?」と言われ続けた2年間

私自身、子どもの頃から出っ歯で外見にコンプレックスがあり、人前で歯を見せて笑うことが苦手でした。小学校高学年くらいに流行ったプリクラ集めも、自分の気にしている部分を友達に見せたくなくて隠すようにしていました。

そのことを両親に相談したこともあったのですが、経済的な理由から歯列矯正はさせてもらえず、学校で「ねずみ顔!」と冷やかされて辛かった思い出もあります。

わが子には絶対そんな思いをさせたくないと思いつつも、からだの負担やリスクのある治療に踏み切らなかったことは、本当にこの子にとってベストな選択だったのかと、もやもやした気持ちを抱えたまま、自然と目立つ部分が消失することを祈るしかありませんでした。

外出時に袖の短い服を着ているとどうしても大きな赤い丸が目立ってしまうので、人が集まる機会に居合わせる度に「それどうしたの?病気?」と周りから聞かれました。

悪意はなくても病気病気と繰り返し聞かれるといい気はしませんし、どう答えていいのか困うようになりました。確かにいちご状血管腫は病名なのですが、悪いものではないですし、娘は至って元気なので「病気です。」と答えるのも何か違う気がしました。

そして、娘自身も成長するにつれ徐々に自分の腕の赤い丸が気なるようになり、2歳になる頃には「ママ、ここ怪我しちゃった。」「これなあに?」と、わたしに聞いてくるようになりました。

わたしはネガティブなイメージを持って欲しくないと思い、「これはね、〇〇ちゃんがママの子だっていうしるしなんだよ。でも、いつか消えちゃうかもしれないから今は大事にしておいてね。」と、自分なりに言葉を選んで答えました。

2歳半頃から急に目立たないように

娘は2歳から保育園に通い始めることになったので、園で周りの友達から見たことや思ったことをストレートに表現されて傷ついたりしないかと心配していましたが、意外とそんな出来事はなかったようです。

一番心配していた娘のこころが傷つくようなトラブルが起こらなくてホッとしました。

そして、丁度半袖の季節になる2歳半頃になると、今まで真っ赤だったいちご状血管腫の色が急に肌の色に近くなり、膨らみがあった部分も少し平坦に近くなりました。かかりつけ医からは自然には消えないと念押しされていたので、目立たなくなったことで何だか気持ちが軽くなりました。

このまま完全に治らなくても、周りの目が気にならない程度に治まっていってくれたらいいなと(期待のし過ぎは良くないことははわかっていても)思いました。

腕に違和感を感じなくなった3歳

3歳になるといちご状血管腫の色はほぼ周りの肌と同色になり、膨らみも虫刺されの痕くらい目立たなくなりました。娘自身も気にならないようで、若干残った膨らみについてパパママに何か聞いてくるもありませんし、園生活や人の集まる機会でも「これどうしたの?」と聞かれることは一切なくなりました。

4歳になった今現在は「よーく見るとうっすら丸い膨らみが残っている…かな?」程度で、3歳の頃の写真よりも色も形も若干目立たなくなった感じです。

消えない治らないと覚悟していたものがここまで自然に目立たなくなったことと、外見の治療をしない選択をして母親としてのこころの葛藤も多々ありましたが、娘の自尊心を守ることができて本当に良かったと思います。

もし娘が思春期になる頃に、うっすらと残った膨らみが気になってしまうようなら、痛みを伴う治療について理解した上で通院するかどうか本人に選択してもらおうと、パパママの間では話し合っています。

いちご状血管腫が、外見上目立つ部分にできていたり治りにくい大きさだったり、治療に踏み切ろうか悩んでいるパパママも読者の中にはいらっしゃると思います。

この経過はわたしの娘の一例で治り方には個人差があるとは思いますが、ブログを通して振り返ると、親の役割としては最も重要なのは治療するしないに関わらず、子供のこころが傷つかないようサポートすることだったのかなと思います。

わたしも、わが子がありのままの姿でいきいきとしていられるよう、気持ちを込めて「これなあに?」と聞かれたときは答えるようにしていました。

治療について考えることも必要ではありますが、外見だけの問題で特に緊急性のない場合は、まずは子どもの自尊心が揺らがないよう安心できる声掛けをしてあげるのがお勧めですよ。

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きりぬきさん 年子姉妹ママと病院勤務ナースの二刀流☆

4歳(長女)3歳(次女)。娘達の成長をパワー源に、急性期病院での看護業務に励んでいます。将来の夢は親子で三世代女子会&恋バナやを聞かせてもらうこと♪

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