求人情報を事前に読み取る必要性は?

若い人であれば「とりあえずはやってみよう!」となるかもしれません。せめて自分一人の生活ができていればいいと思えるかもしれません。しかし、30代後半を過ぎるとそうはいかない。

一回非正規など時短の雇用形態になってしまうと、もう正社員には戻ってこられないかも…!? 30代後半という年齢で正社員の場合、入社した会社を1年未満で退職することも難しくなるでしょう。今後のキャリア形成、住宅購入の際のローンや家計などにも大きく影響するからです。

若い頃のように、「この会社は辞めよう!」とすぐには踏み切れなくなるんですね。年齢によって仕事が減っていくことは、残念ながら事実です。36歳を過ぎると一気に仕事が減るとよく言われますが、その通りです。

40〜50代で正社員で転職しようとなると、経験やスキルなどの実力がよほど評価されなければ難しいでしょう。35歳を超えてからの転職活動は、若かりし頃の転職活動とは全くもって違います。これは先に言っておきます。

実際、年齢が高くても求人数がないわけではないのですが…条件面は厳しいものになります。私も子育て中(当時29歳)に転職活動をしましたが、ずっと正社員として働いてきたので、この歳でもう一回初任給20万〜はキツいと思ってしまいます。

正社員である程度経験を積んでいると、昇給でお給料のアベレージは高くなりますからね。キャリア形成が不十分なまま40代以上で転職しようとなると、条件面はかなり落としてしまうことになります。「もう正社員よりもパートで働いた方が給料貰えるんじゃ…」と思ってしまうかもしれませんね。

そういう訳で、子育て世代であってもキャリア形成は盤石にしておきたいですね。そうなると次の就職先は、生涯とは言わなくても何年かは長い期間働くことを想定しなければなりません。そのような状態ですと、「求人で見たイメージと違う!? 」なんてことを回避することは必至です!!

企業側も人を集めるために魅力的な求人を掲載しようとします。もちろん虚偽は厳禁ですが、やはり求人で見たイメージと実際とでギャップを感じてしまう現象が起こるのは否定できません。そうならないために、失敗しない求人の見分け方を今回はお伝えしようと思います。

転職に失敗しない求人情報の見分け方4つ

求人で自分のボーダーラインを大きく超えている月給が記載されていると、思わず目を留めてしまいますよね。もちろん技術職や開発職などの専門職は月給が全体の平均よりも高い場合もあります。業界や職種によって月給の相場をあらかじめ調べておくといいかもしれません。しかし気を付けて頂きたいのが、「高月給=高収入」ではないということです。

業界や職種の相場をはるかに超えた月給である時は、ボーナス支給がなかったり、交通費や福利厚生がないケースが非常に多い。ボーナスや交通費、福利厚生の分が月給に組み込まれていると想定されるため、月給は高めでも年収は200万台…なんてこともあるんです。

昇給も全くない…ということも多く、ずっと収入が上がらないパターンも…。さらに、みなし残業の場合。これが結構キツい。私もみなし残業で月給が支払われていた経験がありますので…。みなし残業というのは、月給にあらかじめ残業代を組み込んでおくシステムです。私の場合はみなし残業45時間でした。

つまり、もう月給にすでに残業代が45時間分組み込まれてしまっているため、月で45時間を超えない残業や休日労働分は支払われません…45時間以上の残業や休日労働をした場合に、追加で手当が支払われるんです。月に45時間って、相当ですよね(笑)。

残業や休日労働が全くないような仕事であればいいですが、忙しい職場だとかなりしんどいと思います。必要以上に仕事をしてもその分は手当がないので、残業は一切せず、休日労働をしたら振替休日を取ってしまった方がお得ですね。

このような様々な費用を月給に組み込まれていることは、一方でメリットもありまして。例えばボーナスですと、企業の業績や景気に大きく左右されてしまいますので、ガクッと金額を削られることもしばしば。ですが、最初から月給に余分に取り込まれていれば、企業の業績や景気に左右されることは少ないと思われます。

月給は「この額は支給する」と約束されているものですからね(もちろん会社の特別な事情によっては、月給も減額となることも無きにしも非ず)。なので、月給の内訳は入社前に確認しておくといいと思います。

労働条件などの話は正式な内定が出てからでないと難しいかもしれませんが、内定が出たら詳しく話を聞いてみましょう。選考中にお給料の質問をしてしまうのはマイナスイメージになってしまうかもしれません。ですが、選考で人材をかなり絞り込んでいる企業であれば、求職者の感覚とのギャップを埋めるために「あなたには毎月○万くらい支払えます」など選考中に教えてくれるケースもあります。

1次面接で言われることもあれば、内定を出された時に言われたりもします。さすがに採用が決定されれば、労働条件の詳しい内容を企業側から教えてくれると思いますが。内定を貰ったら、自分から月給の内訳の基本給・役職手当・資格手当・交通費・残業代・休日手当などの説明を企業にお願いしてみてもいいと思います。

求人情報に「賞与あり」と記載されていることが多いと思います。ボーナスのことですね。しかし、この情報だけを見て「よっしゃ〜!ボーナス貰える!」と期待してはいけないポイントになります。

例えば、「賞与あり」となっていても、蓋を開けてみれば1回のボーナスにつき7万。年2回でも1年で0.5ヶ月分というケースも多いです。ボーナスというのは人によって感じ方がさまざまではあります。

営業職や専門職などストレス負担が大きかったり高い技能が求められる職種で、ボーナスが思ったよりも貰えないというのはキツいかもしれません。賞与は個人の数字や実績がもろに反映されますし、仕事のモチベーションに直結しますからね。

ただ、先ほども述べていきましたが、賞与は会社の業績や景気によって大きく左右されます。私がいた会社でも、営業職でボーナス4割カットなんてこともありました。管理職でも30万くらいガクッと落とされたりしていることもあります。それに、最近ですとコロナの影響もあり、多くの企業はボーナスが落ちているようです。ですので、賞与は実績を確認してみましょう。

求人票によっては「賞与実績年○ヶ月分(昨年度)」など記載があるかもしれませんね。また、これも選考途中で「うちは昨年は年○ヶ月分支給したよ」と教えてくれる企業もあるかもしれません。求人に実績を載せていたり選考中に企業側から実績を教えてくれている場合は、信頼度は高くなるでしょう。

ですが、求人票に「賞与あり」とだけ記載があり実績が不明な場合。この情報だけで期待通りのボーナスが貰えると思い込んでは危険です。自分から踏み込んで企業に確認してもいいと思います。給与内訳の時と同じく、こちらも内定を頂いてから入社前に「昨年度の分でいいので賞与の実績を教えてください」と企業側に質問してもいいかと思います。

選考中に賞与の質問はリスクがあるのでやめましょう。この質問をすると、「今はちょっと悪くてね〜、去年は○ヶ月分だよ」のように教えてくれますので、その企業の現時点の状況・成長度合い、ボーナス相場などを垣間見ることができます。

また、正社員のワーキングマザーの転職ですと、ボーナスの基準が気になる人も多いですが、専業主婦の再就職となると「ボーナスなんていらない」と思われる人も多いかもしれません。

気を付けて欲しいのは、若い人や専業主婦だと、月給をきちんと貰えればそれで充分と思ってしまうんですね。しかし、年収で考えるとやはりボーナスの額で差がつきます。現在の感覚で「ボーナスはいらない」と思っていても、仕事が始まると感覚が変わってくるかもしれません。

仕事の内容とお給料が割りに合わないと感じてしまったり、子どもが私立に進学して家計が逼迫したり、同年代の人と年収が大きく違って焦ったりなど…そこから「ボーナスは必要」と気付いても、もう正社員としての転職が難しい可能性も充分考えられます。

年収が欲しいとなれば、パートではなくやはり正社員としての立場を維持しなければなりません。旦那様の扶養を外れても、やはり正社員が確実に年収アップになりますからね。ですので、現在はボーナスを重要視していなくとも、正社員への再就職であればボーナス実績はあらかじめ確認しておくといいかと思います。

例えば求人に、「綺麗なオフィス」「オシャレな街の中」「駅近」などと魅力的な文言がありますよね。求人に載せられているオフィスの写真も、オシャレでキラキラしてて、働いている人も輝いて楽しそう…毎日通う場所ですからね。綺麗でオシャレなオフィス、便利で通いやすい立地は大変魅力的ですよね。

…しかし実際働き始めてみると、書類に埋れそうな乱雑なデスクが並び、掃除も行き届いてなさそうなオフィス…働いている人もピリピリして殺伐とした雰囲気な〜んてことも。

私が人材採用の部署に所属していた時も、求職者がそのようなイメージのギャップを生んでしまっていることが多々ありました。当時は不動産業(主にモデルルーム)に派遣する人材を採用しておりました。求職者が面接に来るのは本社でしたし、求人に載せている写真もキラキラした高級感のあるモデルルームです。実際に働くモデルルームの裏の事務所を知ることがないまま採用される流れになっていました。

綺麗なオフィスで働けると思った新入社員が実際にオフィスに行った時。マンションの1室くらいのスペースに男性社員とデスクがぎゅうぎゅう詰め、書類だらけのデスクやキャビネット、いつ掃除したのかわからないくらい埃をかぶって、ゴミ箱は溢れて分別もされていない、よくわからない数字がぎっしり書かれたホワイトボード…働いている人も昔ながらのザ・営業マンのおっさん。

お世辞にもスタイリッシュとは言えず、タブレットどころかパソコン操作すら危うい。キツい口調で数字詰めるわ怒鳴るわピリピリしてるわ…お昼ご飯は毎日牛丼とカップラーメン。タバコ臭いのは必須。

オシャレな場所で働けると思っていたのに実際は昔ながらのザ・営業所!そこで大きく落胆してしまう新入社員も…入ってすぐに辞めてしまう新入社員も多くいました。入社1週間以内に辞めてしまう新人が3人連続なんてこともありました。

そのようなギャップを感じさせないために、現在は職場見学を取り入れて営業事務所を入社前の求職者に見せているようです。このように、職場の雰囲気やイメージはかなり重要です。年収など生活には関わらない部分であっても、職場のイメージや雰囲気などは心穏やかに安心して働くために必要です。

私だって職場のイメージに大きなギャップがあったら、入社してすぐでも辞めてしまうかもです。面接を本社でしかやらない場合、実際に働く現場を見れないこともあります。

さらに最近はコロナの関係で、オンライン面接も増えてきています。そうするとさらに実際の現場を確認することはできないかもしれないですね。このようなギャップを生まないために、企業側から職場見学や職場体験を勧められたり、選考中に実際の現場で面接を行なって普段の様子を見てもらうよう計らうこともあります。

もし内定を貰っても現場の様子を知ることができない場合は、「実際に働く現場を見せて頂きたいです」と提案してみてもいいと思います。しかし、入社して社員にならないと現場に踏み入ることができないこともあるかもしれません。個人情報とかありますからね。

そうだったら企業側も「それはできない」と言ってくれるでしょう。ですが、選考中でも一応聞いてみるのもいいと思います。決してマイナスにはなりませんし、「うちの会社で働く意欲がある」と印象を持ってもらえる可能性もあります。

事前に職場の様子を見られない場合でも、その現場の近くまで自分の足で行って、家から通いやすいのか、近くに何があるのか、ランチのお店があるのかなどは見ることができます。近くにある施設なども、入社する前に知るのか入社してから知るのかで全然違いますから。

まあでも、オフィスなど職場の雰囲気などは自分のイメージだけを膨らませることは危険なので、できるだけ自分の目で見るようにしましょう。大事なのは、入社前と入社後のギャップを少なくすることです。

期限付き雇用というのは、例えば派遣社員や契約社員など、雇用される期限の定めがある形態のことです。派遣社員であれば、3カ月ごとの契約更新となります。自分から更新辞退を申し出るまでは基本的には契約更新されるかと思いますが、派遣元会社や派遣先会社から契約を更新されないこともあります。あとは会社の財務状況によって契約を切られてしまうこともよくあります。

そして、派遣社員は3カ月ごとの更新でも最大3年までしか雇用契約を結べないとしている派遣会社も多いでしょう。これはですね、企業は3年以上派遣社員として働いた労働者を正社員にしなければならないという法律があるんです。

しかし非常勤社員が全員正規社員になってしまっては企業が抱えられないため、このような期限を設けているわけです。雇用形態が派遣社員であると、そこの会社でキャリアを積んでも3年経ったら契約を切られてしまうので、派遣社員としてずっと同じ会社にいることはできません。派遣社員という形態で職探しをする時には充分注意してください!

長く働きたい場合は、紹介予定派遣などで正社員登用を目指してもいいと思います。

また、契約社員の場合。こちらは1年ごとの契約更新としている場合が多いようですね。契約社員で契約更新があるとしても、「基本的には更新して貰える」という心構えでいては危険です!契約の更新というのは、完全に企業側の判断に委ねられてしまいます。

その社員の実績や会社の財務状況で真っ先に契約が切られてしまうケースも充分にあり得ます…。正社員の雇用契約を切るのは難しいことなので。しかし、私も人材派遣業で仕事をしておりましたが、期限付きの職員の契約は想像以上に切られやすいと思っていいでしょう。ですので、例えば年収を上げたいとお考えの場合は、長く働ける正社員雇用を目指すのをオススメします。

やはり正社員で長く働いた方が昇給や賞与で年収は上がりやすいです。もしかしたら、契約社員でも昇給や賞与がある企業もあり、「契約社員のままでいい」と思ってしまうかもしれません。しかし、後々「やはり正規の社員になったほうがいい」と感じるときもあるかもしれません。

長くその会社で働きたいと思うようになれば、契約がいつ切られてもおかしくない状態はリスクが大きいですからね。最初から正社員でなくても、契約社員で正社員登用有りの求人を選ぶこともできます。

ただ、これも個人の実績や会社の判断に委ねられます。事情によっては正社員登用を断られることも充分考えられます。資格を取らなければならなかったり、正社員登用の試験を受ける必要もあるかもしれません。ですので、契約社員としてどれくらい働けるのか、正社員にはなれるのかを確認しておいたほうがいいでしょう。

入社前にあらかじめ「最終的には正社員で働きたい」という旨を企業にお伝えしておいてもいいかと思います。派遣社員や契約社員で働いている中で契約が切られてしまった場合、そこからまた転職するとなると現状は厳しいでしょう。「こんなはずでは…」となる前に、契約の更新や期限についてはしっかり確認しておきましょう!

まとめ

転職に失敗しないための求人の見分け方について紹介しました。
入社後のイメージのギャップを埋めるために、求人情報は、
・月給は内訳を確認する!
・賞与は実績を確認する!
・職場の立地・雰囲気・イメージは自分の目で確認する!
・期限付き雇用は更新の有無や正社員登用の有無を確認!
と、まとめさせて頂きます。
みなさんがすてきな職場に出会えるよう、応援しております。

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ぶうちゃんさん うつのない職場作り!社会福祉士ママ

大学で社会福祉を学び、その後は金融営業、弁護士秘書、不動産事務、人事などを経て就労移行支援で発達障害と精神障害をお持ちの方の就労支援に従事。金融営業では全国新規口座開設最高2位、就労移行支援の営業では3カ月で収益を倍増させ赤字経営を黒字に転換。現在は個人で福祉事業所、学校、医療機関、中小企業向けに、うつを予防する雇用環境作りの支援と楽しく収益化をする支援を行なっている。

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