言い間違いなのか?言えないのか?

娘は「き」が上手に言えません。「き」と発音しようとすると「ち」になってしまいます。

幼いうちはそれもあるある。3.4歳頃は、「きいろいきりん」が「ちいろいちりん」となっていて、カワイイ~!!この時期ならでは!!と親の方も二人目の余裕で幼児期の喋り方を満喫していました。

以前にこちらのブログでも書いたことのある「言い間違い」の記事の「エレベーター⇒エべレーター」のように、幼児期ってその時期限定のとっても可愛い喋り方をしますよね!「ちいろいちりん」も、それと同様の現象だと思っていたんです。きっとそのうち自然と直ってしまうものなのだと。

時は過ぎ、5歳頃。まだまだ「き」が上手に言えません。園の先生にも相談してみましたが、一文字だけだし、日常生活で特に気に掛かったことはない。やはり言い間違いと同じようにそのうち自然と直っていくのでは?という見解でした。

しかしだんだんと、言いたいことがお友達に伝わらない!と子ども自身がストレスを感じることがあり、親としてもなんとかしてあげたいなと思うようになりました。

笑ってはいけないのですが、「きんぴら」が「チンピラ」に。サンリオのリトルツインスターズの「キキとララ」は「父とララ」に。「金庫」は…想像してみてください。

小学校に入ったらこれで揶揄われたり笑われたりする日が来るのかな…と少し心配にもなりました。

やっぱり言えない「き」の音

6歳になりました。まだ「き」は「ち」と聞こえてしまいます。

当の本人は、何度もお友達に聞き返されると「かきくけこの、き!!〇〇ちゃん、言えないんだから!!」と強気でお友達に説明していたので子どもって強いな。そしてこれが障害なのだとしたら、子どもって障害を素直に個性として受け入れることができるんだな、とちょっと感心したことも覚えています。

その頃、お友達経由で療育の存在を知りました。いえ、正確には存在としては知っていたものの、うちの子には関係なさそうだと勝手に思っていたのかもしれません。

うすうす問題に気づいているのに、親が認めたくないからと先送りにしていること。子ども自身がやりにくさを感じているのに、親が気が付いていないふりをすること。これが、発達障害を含め療育に関するよくない対応の例なんだそうです。これを知った時、ちょっとドキッとしました。

そのうち直るだろうと思って先送りにしていること。子ども自身が言えないことに対してストレスを感じているのに対応していないこと。それをズバッと当てられた気分でした。

発達支援センターでのできごと

私の住んでいる自治体には、未就学児向けの発達支援センターがあります。そちらに問い合わせをしてみると、まずは面談をして様子を見させてくださいとのことでした。

発音に関する指導になるので、言語聴覚士の先生が対応してくださいます。そこで発音のテストをしたところ「き」だけでなく「け」も正しく発音できていなかったことが判明しました。(「ちぇ」になってしまうんですよね)

そして、発音を正しく習得していくためには本人の意識が重要らしく、しつこいくらいに「お子さん自身が発音を直したいという気持ちから来所したんですか」と聞かれました。

私は専門家ではないのでよく分からないのですが、口の中の使い方を学んでいくのが子どもにとって難しいことなのは想像できます。そこから何度か言語の療育に通い、舌の使い方や口の中の動かし方をお勉強しました。

残念なことに、私の住んでいる自治体の発達支援センターは未就学児向けのため、小学生になると通うことができません。言語聴覚士の先生が限られていることもあり数回しか指導を受けることができませんでしたが、親にとっても娘にとってもよい気づきとなりました。

今もまだ、完全な状態ではないけれど。

7歳になりました。発音は、まだ完全には直っていません。それでも、娘はたまに思い出して練習しています。訓練すれば直せるんだ、と分かったことが娘にとって大きかったのかもしれません。

「私は言えないんだから!」と主張でき、今の自分を尊重できる強い気持ちと、だからといってそれが諦めなのではなく「まだ」言えないんだから。といういつかできるようになると思っている子どもの前向きな強さ。大人もその気持ちを見習わなくてはいけないなと思いました。

我が家のように発音に関することだけでなく、「もしかしてうちの子ちょっと周りと違う…?」と親が感じて、それが子どもにとってもストレスになっているのだとしたら、早めに専門家に相談することをおすすめします。

療育が必要?いや、我が子に限ってそんなことはない、うちの子は普通、ちょっと遅れているだけ、ちょっとこれが苦手なだけ、と思いたい親の気持ちは当然です。

療育っていうとなんだかハードルが高い。保育士のお友達からも、「プロから見て疑いのあるお子さんについては保護者の方にやんわりとお伝えするんだけれど、受け入れてもらえないことが多い」と聞きました。

しかし、療育ってそんなにハードルの高いものじゃない!子どもが生きやすくなる方法を、親子共に学ぶためにも療育はとても良い方法なんだな、と今回私は発音の分野でしたが、実際に受けてみて実感しました。

周りと同じになってほしい、というのではなく、個性を尊重するためには親子にとってどうしたらベストなのかを専門家に教えてもらうという気持ちで気軽に相談できるようになってほしいなと思います。

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わん子さん 自称・地域のバーチャルママ友

TOKYO2020大会の余韻が残る東京・湾岸エリア在住。日々愛車(ママチャリ)で爆走中。ギャングエイジの10歳息子と強気でおしゃまな6歳娘に振り回されています。趣味は読書とおいしいものを食べること。ディズニー好き。地域ブロガー。

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