「結婚なんてするもんだ」結婚して2年目、夫婦に訪れた危機

結婚なんてするもんだ

あれは2009年6月。帰りの電車の中吊り広告でパッと目についた言葉。2008年4月に入籍し、約1年後にこのフレーズを知った際はしっくり来なかったこの言葉の意味。それから1年後、結婚2年目にして夫婦の危機が訪れることになるなんて夢にも思いませんでした。

結婚2年目にして訪れた夫婦の危機とは

2010年3月に第1子となる長女を出産。新米ママで慣れない育児に毎日バタバタしている中、『絨毛癌（じゅうもうがん）』という婦人科系の癌が見つかりました。

ここにボロボロになった長女の時の育児日記があります。

2010年5月18日（火）の今日のできごとには

午前中にはさんぽ15分
母、絨毛癌かもと産婦人科で言われ〇〇病院へ。
〇〇（夫の名前）が〇〇（長女の名前）を抱っこしたらすぐ寝た

と記載されています。

この日、癌だと告知されて、夜に夫と2人でいっぱい泣いた日のことが思い出されます。

翌日、夫は仕事へ。リビングに置かれた育児日記の今日のできごとには夫の字で『ぜったい勝つ！！みんなでがんばろう』と書かれていました。

この夫の一言にどれだけ救われたか···この育児日記は今でも大切に大切に取ってあります。

入院生活26日目に夫からの嬉しいサプライズ

抗がん剤投与による副作用、髪が束で抜ける、白血球低下、痛い筋肉注射など、2クール目終了時に夫からのサプライズがありました。

「辛くなったり寂しくなったりした時に開けてね」

と言われて手渡された、ずっと気になっていたもの。2クール目も頑張った自分へのご褒美として、開けてみることに。

開封すると現れたのは、サイン帳？アルバム？でした。

感動のなみだ、ナミダ、涙のサプライズプレゼント

夫が私にプレゼンしてくれたものはなんと、『メッセージつきアルバム』でした。

家族写真と闘病中の私へのメッセージが書かれていて予想外のプレゼントに嬉しくて感動して大泣きしました。そこには夫、娘、夫の両親、うちの実家の家族、母方の祖母、愛犬2匹から写真とその隣にはメッセージが。

妹に聞いてみたところ、私が入院してすぐに、夫からうちの母親に手紙があり、この企画が始まったそう。夫が台紙やシールも買ってきてくれて、１週間くらいかけて、みんなでせっせと作ったとのことでした。

感激して何度も何度もみんなからのメッセージを読み返したのを今でも覚えています。当時、担当の看護師さんにその場面を見られていて、看護師さんにメッセージアルバムを見せたら

「これを見たらいっぱい頑張れますね、素敵な旦那様ですね」と言ってくださり、嬉しかったのを覚えています。

家族の温かさに感動し、私は決して一人じゃない、絶対にこの病気に打ち勝つんだ！！という意欲が更に湧き、抗がん剤治療７クール目を終え、2010年10月8日に無事退院し、現在まで至ります。

当時の夫からのメッセージ

当時の夫からのメッセージには彼なりの抗がん剤イメージを写真と共に載せてくれていて、『抗がん剤はゆずミンの仲間だよ』とありました。

入院前に抗がん剤の副作用について事前に説明を受けており、抜毛に始まり、ショック、肺機能、肝機能障害、口内炎、嘔吐、骨髄抑制など、副作用が怖くて怖くてたまらなかった私。

夫が思い描く抗がん剤のイメージ図を見て、この写真どうやって、誰が撮ったんだろう？1人で撮っていたらと思うと笑えました。夫が抗がん剤として、癌と闘う姿が微笑ましく（？）思えてしまい、抗がん剤は怖いというイメージが随分と和らいでいったものです。

確かにたくさんの副作用はあれども、打ち勝つことが出来たのは私の癌には抗がん剤がピッタリだったのだと思います。

闘病生活を振り返り感じた自分なりの『結婚なんてするもんだ』の意味

話は長くなりましたが『結婚なんてするもんだ』

自分が育ってきた家族、父、母、2人の妹達以外に結婚して、新たな家庭を築き、自分のために声をあげてたくさん泣いてくれる人がいたんだと気が付かされた人物。それは夫でした。

絶対治ると信じてくれて、全力でサポートしてくれた夫を始め、当時の私を支えてくれた皆さまには本当に感謝してもしきれません。

この先も新たな夫婦の危機が訪れるかもしれませんが、『結婚なんてするもんだ』の言葉を忘れずにお互いを支え合い、乗り越えていけたらと思います。