3人目の子どもの誕生が近い父親です。男性ですが産休を取りました。そうしたら効果絶大でした。

男性は産前休業制度がないので、自主的に取得した

男性版の産休と言われる産後パパ育休が2022年に新設されました。産後パパ育休では、子どもの出生後8週間以内に、4週間まで2回に分けて休業を取得することができます。これは女性の「産後」休業に相当するものですが、「産前」休業に相当する制度は男性にはありません。

そこで温存してきた有給休暇をフルに活用し、産前から休業に入ることにしました。1年分の有給20日を使って出産予定日の1カ月前に仕事から離れました。

男性が産前に休んで何をするのか…やることは盛りだくさん

「男は出産しないから産前の休みは必要ないでしょ?」と思った方もいるかもしれません。私自身も若干そのように思っていましたが、実際にやってみたところ、毎日こなしてもやりきれないくらい、やることがありました。

おそらく現状は女性側がやることによって産後の家庭が成り立っているのだと思います。しかし男性側がやることによる効果が大きいと感じています。

男性が産前にやるといいこと1:出生手続きの理解と書類準備

出生に関わる手続きはたくさんあります。行政(自治体)への出生届を始めとして、会社員であれば会社への届け出、そして場合によっては所属する健康保険組合への届け出も必要になるかもしれません。

これらの届け出は出生後速やかに行うべきものである一方、出生後は育児そのものが激烈に忙しくなります。そして24時間育児なので、親の方も常に疲弊状態で頭の回転もかなり鈍くなります。そのため手続きは出生後であっても、事前準備するに越したことはありません。

具体的には会社への届け出などで提出フォームを事前に受け取れるものがあれば、子どもの名前と出生日以外は記入しておくことをおすすめします。記入や手続きの仕方が分からない場合でも、出生前であれば余裕をもって問い合わせることができます。

男性が産前にやるといいこと2:今の生活の引継ぎと新生活の準備

産前の家庭生活で妻がやっていることがあれば、夫が引き継いでおく必要があります。理想は夫が家事を全てできることです。

臨月の妻の負担を減らす意味でも、産前に夫が一通りの家事をやってみる、いわゆるワンオペに挑戦してみるのがいいと思います。その際に分からないことがあれば、妻に教えてもらう。仕事の引継ぎと同様に、家庭内で家事の引継ぎをきっちりやっておきます。

次の段階として新生活の準備、つまり育児用品の準備に着手しておきたいところです。大型ベビー用品の配置や導線、小物の配置など、夫がよく理解しておくとスムーズに新生活に移行できます。
(里帰り出産だと直近はあまり関係ないですが、いずれは必要になります。)

男性が産前にやるといいこと3:自分のケアと体力づくり

出生後しばらくは育児で猛烈に忙しくなって自分のことはそっちのけになるので、その前が自分のケアの最後のチャンスです。ケガなど治療の必要性が明らかなものだけでなく、不調の防止を重点的に行うといいと思います。

具体例としては歯の健診とクリーニングや、腰痛防止の整体です。そしてベビー育児は想像以上に体力勝負なので、ランニングや筋トレで体力・筋力を養っておくと助かることが多いです。

ターニングポイント前に妻の評価を爆上げして、つらい時期を乗り越える

子どもが生まれる前に男性側がやるべきことを3つ紹介しました。これらは子どもが生まれた後の生活を物理的に楽にするものですが、それだけではありません。むしろ、産前に夫が行うことで大事なのは、妻の精神を安定させておくことです。

子どもが生まれると、妻の愛情が向かう先は夫から子どもに急転換します。これによって相対的に妻から見た夫の評価が下がります。その上で産後のホルモンバランスの乱れや夫の家事育児への不満が加わると、産後クライシスと言われる状態になります。産後クライシスが離婚という結末になってしまうこともあります。

2021年に行われた厚生労働省によるひとり親世帯の調査によると、子持ち家庭で離婚した際の末っ子の年齢は0~2歳が38%と、他の年齢階級を大きく引き離しています。この背景に産後クライシスがあると言われています。

要因となっている子どもへの愛情移り、ホルモンバランス、夫の家事育児への不満のうち、夫が取り組めるのは家事育児くらいです。逆に言えば、産前から子育ての準備に取り組んでおくことで、妻からの評価は急上昇して、最悪の事態を回避できる可能性が上がります。

男性の産前休業は難しいが、それを上回る効果がある

男性が産前から休みを取るメリットを強調してきましたが、実際問題としてそんなことできるのか、という話もあると思います。2023年度の男性育休取得率は30.1%で、急速に向上しているもののまだ3人に1人です。この観点で実践者として言えることは、「男性の産前休業は難しいが、効果は非常に大きいのでチャレンジする価値がある」です。

出産を控える年齢層は仕事でも役割が大きくなってくる時期かと思いますが、仕事である限りは替えが効くはずです。翻って夫や父親という存在は替えが効かない、ということを覚悟して、長い人生の先を見て決めて突き進むのが一つの考え方です。そして自分のために仕事を調整することは、復帰後の仕事のやり方にも必ず活きてくるはずです。

育休の前倒しが実現した際は、周りへの感謝を忘れずに!

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共働きおやじ研究所さん

6歳と4歳の姉妹を持つ30代後半の父親です。妻は2022年4月に職場復帰。祖父母サポートなし共働き家庭を続けていくために、父親育児の手法を研究しています。
研究成果を公開し、親父の地位向上を目指しています。
仕事と家庭と自己実現の三方良しが人生の目標です。

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