『お薬手帳はお持ちですか?』
このフレーズ、処方せんを調剤薬局に出すと必ず耳にしますよね。でも、お薬手帳を作ってみたものの「薬局に出してシールを貼ってもらうだけ」になっていませんか?

今回は現役薬剤師であり、一児のママである私がお薬手帳の上手な活用方法をご紹介したいと思います。

『お薬手帳』って何?

「お薬手帳」は現在飲んでいるお薬やそれまでの服薬歴、病歴、副作用歴を確認するための手帳です。薬局で希望すると無料〜数百円で作成してもらえます。

お薬手帳の保有率は意外にも高い!

私が働く薬局では8割以上の患者さんが『お薬手帳』を保有しています。

患者さんがお薬手帳を作る理由としては
・薬の名前が長くて覚えられないから
・お薬の飲み合わせが心配だから
と、いうのが圧倒的に多いようです。

いまやジェネリック医薬品の名称の多くは『成分名+剤型(錠剤やカプセルなど)+規格(用量)+メーカー』となっていて、たしかに長い!覚えられない!!

そして、お薬の飲み合わせや重複は専門的な知識がないとチェックが難しいもの。
実は過去に服薬歴があり、安全に服用できたということも大事な情報。お薬手帳の中の情報は家族の安全な服薬に直結しています。

大人と子どもではお薬の影響が違う?

その昔、フランスの哲学者ルソーは『子どもは小さな大人ではない』という言葉を提唱しました。

この言葉はのちに医療の世界に浸透し「子どもは体が大人より小さいというだけでなく、薬剤の影響や代謝がそもそも成人とは異なる」という意味でよく使われます。
精神的、肉体的に未熟な小児(15歳未満)に対しては、単純に大人の薬を減量して与えればいいというわけではありません。

子どもが小さいうちは何かと病院にかかることが多いもの。その都度、小児に出されるお薬について、大人は自分が服薬する以上に気にかける必要があるかもしれません。

お薬手帳を120%活用するコツは?

私には2歳の息子がいるので、母子手帳ケースの中には自分と息子のお薬手帳が常に入っています。

お薬手帳を上手く活用するには「健康管理の記録」を全てお薬手帳に一元管理するのがオススメです。

・受診前の症状、体温の変化
・受診時に医師に確認したい事項
・受診時の診断とお薬の記録
・受診後の病状の変化

これらをまとめておくと、過去の受診歴がしっかり記録として残ります。

『患者基本情報』は記入済みですか?

まず、大事なのは1ページ目の患者基本情報です。
持病や入院を伴うような大きな病気、副作用歴やアレルギー歴などはこのページに記録します。

患者さんにお薬を渡す際、「最終ページまで使いきったお薬手帳はどうすればいいの?」と聞かれることがあります。中には過去のお薬手帳を複数冊ご提示いただく患者さんもいらっしゃるのですが、薬局では「いつ、どんな病気で、何の薬を飲んだか(飲んでいるか)」を確認しています。

必ずしも過去全てのお薬手帳をご持参いただかなくても、この患者基本情報のページに持病や体に合わないお薬などを記載していただくとチェックができます。

息子の場合は入院歴があるので、お薬手帳を更新する際には毎回のそれを転記しています。

実録!我が子のお薬手帳の中身①

とある日の息子の受診記録がこちら。

朝から鼻水が多く耳鼻科にかかりましたが、午後になって発熱。次の日に小児科にかかりました。症状の変化や発熱の時間、解熱剤の使用回数、ドクターの診断と今後の指示を記録してあります。

お薬服用中に他科にかかる際には「前回どんな診断を受けてどんな治療を受けているか」が重要です。薬局でお薬をもらうときだけでなく、受診時にもお薬手帳を提示します。

実録!我が子のお薬手帳の中身②

また違う日の息子の受診記録。
このときは咳と嘔吐がひどく、日ごろ食欲旺盛な息子が食事を摂らない状態でした。咳き込み嘔吐なのか、嘔吐そのものが起きているのかが家族目線では判断がつきません。

何を口にできて、嘔吐が何時間間隔で起こり、尿量はどれくらいかを記録しました。

検査結果などもお薬手帳に一元管理!

発熱が数日間続いたときは、病院の血液検査の結果もお薬手帳に貼りました。

このときの診断は『肺炎』。気管支が弱い息子は今後もリスクとなる既往歴です。初回にどんな症状だったか、治療を受けたかを記録しておくと、次回同じような状況になったときに「慌てず見逃さず」受診ができます。

そのほか『小児救急ダイヤル』#8000を利用したときのアドバイスや歯科検診で指摘されたことなども、お薬手帳に記録しています。

大事なことは日記のように記録を残すことではなく『受診時、医師と対面したときに病状や病歴を端的に話せる』ようにしておくこと。
お薬手帳はあくまでもツールです。上手に使うことで医療機関との情報共有ができます。複数冊に病気の記録を残すより、受診時に必ず持参する『お薬手帳』一冊にまとめると時系列もわかりやすいのでオススメです♪

息子のひそかな楽しみは…?

お薬手帳の最終ページは息子専用ページ。

病院で受診を頑張るともらえる『シール』をコレクションしています。

薬局勤務中、待ち時間に書いたであろうお薬手帳の可愛いお絵かきを目にしたときは、つい微笑ましくなります♪

お薬手帳の持参…ついつい忘れちゃうんです。

お薬手帳は持っているけれど、薬局を利用する日にうっかり持参するのを忘れてしまった経験はありませんか?

ご高齢の方で意識の高い患者さまは「急に倒れて救急車で運ばれたら大変だから!」とお薬手帳を常時かばんに入れてらっしゃる方もいらっしゃいます。これは一番理想的な方法です。

…でも、常に『ママバックがパンパン』のママ達は数グラムでもかばんを軽くしたい!せめて受診時、来局時に忘れないようにするための工夫はあるでしょうか?

それは「診察券+保険証+お薬手帳(+受給券等)」をセットにしておく方法です。
これには100円ショップのお手帳ケースがおススメ。

普段は左のポケット手前に診察券と保険証、ポケット奥に受給券、右のポケットに病院の領収書、さらにお薬手帳を挟んでいます。
受診時にはこのお手帳ケースを持って出れば、病院の受付でもごたつきません。

お薬手帳は健康管理にフル活用!使うときに使えるカタチで記録、保管を!

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kikoさん

現役薬剤師。元製薬会社勤務。産休中にフィナンシャルプランナー2級を取得し、家計管理はきっちり主義。2歳の男の子を育てる、ママレード・ボーイ世代のアラサー主婦♪

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