/ 2019.12.18

「お受験」体験してみました

11月、年長さんの長女が近所の国立小学校を受験しました。(というか、させました。)

同じ園の子がたくさん進む公立もいい雰囲気ながら、教育研究のために先生たちが集まる国立で素晴らしい先生に出会えたらいいな、近いし、学費も私立ほどではないし、という動機からでした。

しかし、基本家庭学習の独学スタイルの我が家、その後もフルタイムに戻った母の仕事量は増加の一途を辿り、対策らしいことをする時間はなかなか取れなくなってしまいました。

願書も提出し、駅にこんな広告が掲げられた秋口には、むしろすっかり自然体で臨む以外に選択肢がない状態になりました。

試験当日になって気がついたこと

いっそ清々しい気持ちで臨んだ試験当日、初めて本物の試験会場というものに入り込みました。

のんびり屋の我が子は会場の空気にのまれることもなく、ふぁ〜っと子牛のようにあくびを一つして会場に連れられていきました。

ペーパー、個人面談、待機など3時間余りの試験から戻ってくると、ベストの下のポロシャツが思いっきりOUT。

トイレに2回連れて行ってもらったそうで、これは、普段着なれていないベストの洋服の整え方を教えてこなかった自分のミス。

母の考えに付き合わせた挙げ句がこれか。長女、ごめんよー。

髪も、やはり普段は保育園で禁止のアメピンで留めたのが気になってしまったようで、戻ってきたら落ち武者のようなザンバラ髪になっていました。

試験以前に、着慣れない服、し慣れない髪型は、大事な場面では×ってことですね。慣らしておくか、普段から気にいっている髪型にしておけばよかったです。

そんなの当たり前か。

ところが翌日、まさかの展開

そんなわけで、(あーこりゃ、母ちゃんやっちゃったわ)と帰ってきた翌日、もはやチェックの必要も感じてなかった翌日のWEBでの一次結果発表。

でもまあ現実を見てすっきりランドセル買いに行こう!明日とっていた有給も返上確定しなきゃいけないしな、と見たら、まさかの通過。

ポロシャツ出ていても?
髪が落ち武者でも?
手付かずのプリント家にたくさん残っていても?

驚きでしたが、「(ママがさんざん下手うったにもかかわらず)長女ちゃんががんばってお勉強してきていっぱいマルだったから、先生たち、また長女ちゃんに会いたいんだって」と伝えると、本人はとてもうれしそう。

小学校受験、願書には「志願者」と表現されているものの、別に本人がどうしてもその学校に行きたいって話じゃなく、志願者はぶっちゃけ親なわけで。

うちの場合、とりわけ、子供本人的にはどうでもいい感がアリアリだっただけに、なんだか無理に付き合わせてごめんということが多かったのですが、とにかくなにかしら取り組んで達成した、うれしい!という場面があってよかったなぁと思いました。

実際、準備不足の母のミスを本人のがんばりがカバーした結果のミラクル、我が子ながら、お見事でした。

「志願者の性格と本校を志願した理由」

「志願者」について願書に説明する項目があり、うちの子のキャラ、どう説明したらいいかな、と改めて考える機会もありました。

そこでは。こんなエピソードを書きました。

“虫やクラゲ、生き物が大好きなおっとり優しい性格です。母の実家でスジグロシロチョウをつかまえ、じっくり観察したあと自分から放してやり、『自由だね』と見送っていました。”

そうそうそう、ね、こんなに素敵なんです、うちの子。だから選ばないなら、それは学校の方の目がないってもんです!!

な〜んていう心境になったことは、なんだか面白い体験でした。

単に親バカというのかもしれないけど(笑)。

イクラのおにぎり、一個30円

二次の行動観察はなにかお店やさんごっこをして集団における振る舞いを観察する試験だったようです。

ここでも緊張せず参加した長女はたのしかったようで「おにぎり売った。イクラのおにぎり、一個30円」大盤振る舞い、出血大サービスをしてきたようです。そしてこの日も、髪は慣れたスタイルにしてあったので無事だったけどポロシャツは全OUT。。

その翌日、もしかして…なんて淡い夢を一瞬みたけど、ご縁はありませんでした。

でも、ここまで一緒に来れたことで十分すぎるくらい、大満足でした。

長女にも、「神様がどっちの学校が長女ちゃんに合うか先生たちと相談してこっち(学区の公立)がいいって決まったんだよ」と伝えると、母の表情をちょっと確かめたあと、少しだけ悔しそうな、でも、ニッコリ安心したような表情を浮かべました。

遠い存在に感じていた「お受験」の世界にちょっぴりだけ足を踏み入れてみて、はじめはどうすればいいかわからずそのイライラをお互いにぶつけ合うみたいなよくない空気の時間もたくさんもありましたが…。

長女はあまり好きでなかった折り紙の楽しさを知ったようで、自分から嬉々としてなにかを作るようになりました。試験当日も、3回ほど折れば完成するような、キツネやヨットを堂々と完成させてきたようでした。

そしていままでより少し大きな元気な声でご挨拶ができるようになり、そうすることで、お互いがいい気分になれることを知りました。

前は速くないからと泣いていやがっていたかけっこもあきらめないで自分なりの全力を出し、正面から立ち向かうようになりました。

母は、待つことの大切さ、そして、試験のスケジュールに合うか合わないかは別として、こどもは自分なりのペースで間違いなく前に前にと進んでいることに改めて気がつくことができました。

いろんな面があり、子に与えるストレスとか反対意見もあるけど、経験してみてよかったな、と思っています。

伴走できるのはあと少しだけ

かけっこといえば、試験の一週間前、地域の保育園対抗の駅伝(実際には100メートルトラックを1周ずつするリレー)大会がありました。

運動会では、声援を受けるとついその方向を見てしまい、スピードが落ちてしまう長女だったので、「ママ、応援に行くけど頑張れーって聞こえてもこっち見ないで前を見て走るんだよ」と前の晩に伝えました。

すると当日、どんなに大声を張り上げて応援しても、長女がこちらを見ることはありませんでした。

まっすぐ前だけ見て、遠くなっていく背中を見て、うれしくて寂しくて、涙が止まりませんでした。

手取り足取りお世話して、伴走させてもらえる時間は、もうあとほんの少しなのかもしれません。

改めて、この時間を大切にしたいと思いました。

しなくても気がついたこともあったかもしれないけど、受験してみたからこそ気づいたこと、得られたこと、あったと思います。

我が家は、経験してみてよかったかな、と思っています。

開かれたドアから続く道が きっとこの子が一番輝ける道!始まりの4月、親子で楽しみましょうね♪

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たかままさん

「保育園児ママの今こそ育児の青春時代!」がモットーの更年期ちらつく歳女(としおんな)。不条理だらけのワンオペ育児、ビジネス文書でみかける用語で考察してみたいと思います。

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