身近な食品で実験してみよう!

紫キャベツを使った色の変化、冷凍庫を使わないアイスクリーム、牛乳から簡単にできるチーズなどなど、家庭にあるものでもたくさん楽しめる食品化学実験。

今回は、その中から子どもも一緒に参加できるおすすめ3選を一応農学部出身の私が、実際に4歳の娘と一緒にやってみた様子、そのメカニズムとともに紹介します。

紫キャベツにレモン汁を加えると○○色に?

■用意するもの

紫キャベツ 1/8玉
レモン汁  大3
せっけん水 大3
※上記材料分量は参考程度です。これより少なくても大丈夫です。

透明コップ
リトマス試験紙(あれば)

■実験手順

1.紫キャベツを適当な大きさにカットし、熱湯をかけ、15分ほどおいた後、冷ましておく。簡単にアントシアニン色素が抽出されます。

2.レモン汁とせっけん水をそれぞれの容器に用意しておく。
※レモンは市販のものでも果物から搾ったものでも可
※せっけん水はハンドソープを水で薄めても可

リトマス試験紙があれば、それぞれの液体のph値を測定しておきます。それによって、紫キャベツは中性、レモン汁は酸性、せっけん水はアルカリ性ということが、目視でも確認できます。

危険な液体ではないので、子どもでも安心してできます。

3.コップに適量ずつ分けた(1)に、(2)を注いで色の変化を観察する。

せっけん水を加えると、青色に変化します。

レモン汁を加えると、赤色に変化します。

それぞれの液体を並べて、色の変化を比べてみましょう!

美味しそうでも飲んでしまわないように要注意です!笑

■こうなる理由は?

紫キャベツの中に含まれるアントシアニン色素は、酸性またはアルカリ性かによって色が変化する特性があります。中性では紫、酸性では赤、アルカリ性では青ですが、実際には濃度によって、細かく色に違いがあります。

その為、中性状態の紫キャベツ水に、酸性溶液(レモン汁、酢など)を加えると、赤に近い色へと変化、アルカリ性溶液(せっけん水や卵白など)を加えると青に近い色へと変化します。この変化によって、加えた液体の性質を見分けることができるのです。

他にも、タバスコやコーヒー、洗剤など家の中にある様々なものを使って、色の変化を見てみると面白いですよ。

娘には、「赤いボールと白いボールが5個ずつあって、今は引き分けなんだけど、そこに白いボールが1個増えたら、白が多いから、白の少し勝ち、でも、そこに赤が3個増えたら赤の少し勝ち、赤が10個増えたら、赤のすっごい勝ち」と絵を書きながら、説明してみたところ、案外納得していましたが、酸性やアルカリ性といった概念までは、ちんぷんかんでした。

ちなみに、最後には、使い終わった液体を好きなように混ぜ合わせ、色水遊びも楽しめちゃいます。

冷蔵庫を使わずアイスクリームが作れちゃう!

■用意するもの

牛乳    100ml…A
生クリーム 100ml …A
砂糖    25g…A
塩     200g…B
氷     400g…B
ジップロック(大と小) 各1枚

■実験手順

1.(A)を小さい袋に入れて、(B)を大きい袋に入れて、それぞれ軽くもんで混ぜる。

子どもが入れる場合、袋の口を開いておいてあげるとこぼれにくく安心です。

2.(A)を(B)に入れ、優しい力で揉む。

タオルを使って、力を入れすぎないように(袋が破れないように)。

3.しばらくすると、(A)がかたまってきます。

室温にもよりますが、5分程でかたまってきます。

4.お好みでトッピングをして完成!

ミルク感が強くて、とっても美味しい!!

通常のアイスクリームよりも溶けやすいので、早めに食べることをおすすめします。

■こうなる理由は?

通常、水は0度で氷になりますが、他の物質が溶けていると凝固点降下が起こり、さらに低い温度にならないと凝固しません。(温度は物質や濃度により異なる。)また、氷が解けるときには、周りの熱を奪う性質があります。この2つの特徴から、今回は、塩を入れたことにより、氷が約マイナス20度程度まで、周囲の熱を奪いながら、一気にさがり、それに伴い、アイス原料の温度も下がっていくため、簡単にアイスが完成したということです。

食品用温度計がある場合は、実際の温度を計測してみながら作ってみたり、塩分濃度を変えながら、違いを比べてみるのも面白いですね。

除雪剤や車の冷却水などにも、この現象が利用されています。

牛乳に酢を混ぜると…何ができる?

■用意するもの

牛乳  300ml
酢   大1
ザル・ボウル・濾し布(キッチンペーパー可)

■実験手順

1.牛乳を鍋に入れ、鍋のふちに小さな気泡が出てくるまで温める(60度~70度)。

2.火を止めて、お酢を加え、10秒程置いたあと、優しく全体をゆっくり混ぜる。

強く混ぜすぎないようにする。

3.そのまま5分程置いておいたあと、ザルとガーゼを使って、濾します。

4.固体部分がカッテージチーズ、液体部分がホエーとして完成です!

ホエーもドリンクやパン作りなどに活用できます。

出来上がったチーズは、パンケーキにはちみつと一緒に乗せて食べたり、ピザやサラダなどに使えます。

■こうなる理由は?

牛乳に含まれるたんぱく質にはカゼインという物質が多く存在しています。通常、このカゼイン同士は反発しあい、分散していますが、酸性の物質を加えることにより、カゼイン同士がくっつくようになります。このくっついたものがカッテージチーズとして出てくるのです。

娘には、「お互いに恥ずかしがり屋で一緒に遊べないお友達同士がいて、そこに先生がやってきて“仲良くしようね”と手伝ってくれたから、二人はいつも一緒の仲良しコンビになったみたいな感じだよ」とかなりざっくりした説明をしたら納得していました(笑)

まとめ

今回、すべての実験を4歳の娘と一緒にやってみましたが、子どもでも簡単に楽しみながらやることができました。

詳しいメカニズムに関しては、少し難しかった部分もあるようですが、分かりやすい例えなどを使って、ざっくりとした理由を学ぶことができました。大人にとっても、なんとなく分かったような気になっていた現象をじっくり考えてみるのはなかなか面白いですよ!

是非、室内遊びの一つとして、身近なものでできる食品化学実験に挑戦してみてください♪

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この記事を書いたブロガー

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nimo*さん

元食品メーカー勤務のフリーライター。4歳と1歳の姉妹の母。趣味は食品工場見学で国内外問わず、200か所以上足を運んでいる。夫の転勤のため、17年11月より台湾高雄にて駐在生活中。そんな台湾での子育てライフをぎゅってWeb内“台湾あるある子育て絵日記”にて紹介中。

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