
2023.03.25
正しく知ろう!ADHDの特性
桜がそろそろ咲き出す時期になってきました。新年度が始まる時期なので、少しソワソワしますね。
自分の記事を見返してみると、精神科医なのに、精神科らしい記事をかけてない事に気が付きました(笑)ちょっと今回は志向を変えて、今回はADHDの特性に関して、書かせて頂きます。
ADHDは(Attention-DefictHyperactivityDisorder)は、日本語で「注意欠陥/多動性障害」といい、自分をコントロールする力が弱く、それが行動面の問題となってあらわれる障害です。
「不注意」「多動性」「衝動性」の3つの特徴があります。
割合は学齢期で5%(平均すると約30人に1~2人)と言われています。
「不注意」は
ひとつのことに集中していられない
やりかけのまま放ってしまう
課題や活動に必要なものをなくしてしまい、忘れっぽい
「多動性」は
じっとしている事が苦手
椅子にじっと座っている事が出来ない
静かにするように指示されてもコントロールが出来ない
「衝動性」は
順番を待つのが難しい
他の子がしていることをさえぎったり、邪魔をしたりする
勝手に話し出す、他の児童への質問に答えてしまう
などの特徴があります。
これらの症状のあらわれ方は人によって様々で
「不注意が目立つ状態」「多動性・衝動性が目立つ状態」「混合した状態」の3つに分けられます。
問題なのはADHDの症状を持っていることではありません。症状を持っていても日常生活に困難をきたさなければ、問題はないです。
二次障害に気を付ける
しかし、その症状ゆえに失敗体験が続き、周囲に理解されないと「どうせ頑張ってもできない」「何をやってもうまくいかない」「また叱られる」と自信を失ってしまう事も多く、これを二次障害といいます。
二次障害が起こると、元々持っていた困難さに加えて状況は悪化し、問題はより複雑になります
二次障害を起こさないようにするには、ADHDの特徴をみんなが正しく理解する必要があります。
周囲がその特徴を知り、
学校での環境調整
親御さんの対応方法(ペアレント・トレーニング)
本人が必要なソーシャルスキルを学ぶ(ソーシャルスキル・トレーニング)
などの心理社会的支援が必要です。
大事なことは、ADHDの特性である、不注意、多動性、衝動性をなくす事が目標ではありません。
目標は、学校や家庭での困難の悪循環が好転し、ADHDの症状を自分らしさとして折り合えるようになる事です。
みんなが正しく理解して、発達特性に困る子供や親が、少しでも減る社会になればいいなと願っています。
目標はADHDの症状を自分らしさとして折り合えるようになる事です!
この記事を書いたブロガー
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精神科ママ ボッチさん 現役精神科医ママ!密な年齢差の子育て奮闘中です
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精神科医です。以前は病院勤務をしていましたが、密な年齢差の子育て真っ最中で病院勤務が難しく、働き方改革を実施。今は企業の産業医をしながら、子育て支援のコラムを定期的に執筆中。医学博士、精神保健指定医、精神科専門医、産業医を習得済み。ママが元気でいることが、子どもの元気に繋がると思っています。