/ 2023.04.23

育休中にパラレルキャリアでぎゅってブロガー/ワーキングマザーの会運営をしている2児の母、うかたそです。

現在所属している育休中の人向けのコミュニティ「MIRAIS」にて、エッセイを書くきっかけをもらいました。すごくいい体験だったことと、我ながらよく書けたと思ったので、せっかくなのでここにその内容を記録として残しておきたいと思います。

エッセイ企画は、コミュニティ内の図書委員(という係があるのです)が書きたいメンバーを新たに募り、同人誌として出版することを目的に始まったものです。

人生において同人誌を出版することなんてそうそうないということ、また、私はぎゅってブロガーをやっていることもあり、文章を書くこと自体はわりと得意なので、「やってみよう!」と思い、手を挙げたのが企画参加のはじまりでした。

内容についてはもっとこうしたかったなという思いもある

エッセイの締め切り日が提示されてから1営業日という爆速で仕上げてしまったため、自分なりに推敲はしたものの、ほかの人のエッセイを読むとかぶるところが少しあり、平々凡々な内容になってしまったなぁという後悔はちょっぴりあります。

改行の位置とか、漢字とか、こだわりたい部分はいくつかあったけれど、総じて書き上げられてよかったです。この企画に手を挙げて、参加して本当によかったなぁと思います。

下記にエッセイ本文を掲載しますので、よかったら読んでください。
(著作権は自分に帰属しているため、本文の掲載に問題がないことは確認済みです)

5歳のあなたへ

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ひょんなご縁から、手紙形式のエッセイを書くことになった。
私がまっさきに手紙を書きたいと思った相手は、世界で一番大切で、私にとってたったひとりの5歳の娘。
そう、あなた。
2018年1月7日、寒い冬の日の正午に産まれてきた。
予定日より15 日早く産まれてきて、トラブルなく一緒に退院することができたね。
その日から始まったあなたと過ごす育休は、楽しくてとても充実していたよ。

あなたは、どこに行っても誰からも「育てやすそうな子だね」と言われた。
めったに大声で泣かない子。
実家に預けて夫婦で映画を観に行ってもケラケラと笑って待っててくれた。
よく食べ、私が友達とおしゃべりをしていても、ずっと黙っておにぎりやバナナを食べていた。
病気もしない。
お昼寝もよく眠る子だった。

でも。
そんなあなたとの生活で、ひとつだけ怖いものがあった。
それは、夏の終わりの夜にはじまった。
生後8ヶ月ごろからの、ひどい夜泣き。

何をしても泣き止まない時間が、1〜2時間、毎晩続いた。
抱っこ、授乳、げっぷ、温度調節、歯固め・・・、対処策としてできることはなんでも試した。
小児科に相談して夜泣きに効く漢方を処方してもらったし、ねんねトレーニングの本も数冊読み漁って勉強した。
レバーのタンパク質が良いと聞けば離乳食で与えたし、小児はりが効くかもと聞けば家にあるスプーンで試した。
夜泣きに効くベビーマッサージもした。
ねんねトレーニングで有名な先生の講演も聞いた。
何をしても、どんなアプローチをしても、あの時のあなたは泣き止まなかった。

夜、寝ていて、突然始まるあなたの泣き声。大声で泣くので、私も心がしんどくて、抱っこしたり授乳したりもしたけど、泣き止まないあなたにイライラしたり、起きない夫にイライラしたりした。
どうにもならないので、マンションを出て、暗い夜道を抱っこ紐でトボトボと歩いたこともあった。あの時の心細さは今でも忘れない。

あなたの夜泣きがいつおさまったのか、覚えていない。
1歳になる前には、いつの間にか夜泣きはなくなっていた。
今思い出しても、私にとってあの日々は、つらかった。とにかく地獄のような夜だった。

それでも。
神様がいて、もしあの頃の赤ちゃんだったあなたに会わせてくれるというのなら、私は喜んでもう一度、夜泣きごとあなたを引き受けると思う。
だって、つらくてもいい。しんどくてもいい。あの頃のあなたにもう一度会えるなら。なんだってします。

1ヶ月。
3ヶ月。
6ヶ月。
10ヶ月。
1歳。
2歳。
3歳。
4歳。
どの年齢のあなたにも、もう一度会いたい。
可愛い可愛い、大切な私の子ども。
もう会えないからこそ、いつだって、今、目の前にいるあなたを一番大事にしたい。
来年の私は、もう今のあなたに会えないから。
10年後の私は、もう今のあなたの手の大きささえ思い出せないから。

「かーか、見てて」
「かーか、いっしょにテレビ見ようよ」
「かーか、あそんで」

一日働いてくたくたで、お迎えに行って、夕ごはんを食べて、寝かしつけまでの怒涛の時間の中、時折うっとおしいとすら思うあなたのその呼びかけを。
あなたがやわらかく私を「かーか」と呼んでくれる今のこの日々がいつか尊いものになることを、私は知っているから。
今はたまたま、それぞれの人生の一時期が交差しているだけ。長いようで、あっというまに過ぎ去ってしまう交差点。
それが分かっているからこそ、これからは今よりもっと意識して手を止めて、その声に耳を傾けて、一緒に同じ景色を見るようにしよう。
いつだって今のあなたに会えるのは今だけなのだから。

うっとしいと言われても、これからも毎日伝えていくよ。

「生まれてきてくれて、ありがとう」
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書き上げてうるうるしてしまった

改めて読むと、じ〜んとくるものがあります。自分の実体験なので、当然ですね・・・。こんなに立派な本の形にしてもらって、本当にありがたい気持ちでいっぱいです。

今の5歳の娘は、今しか私の目の前にいないし、このエッセイを私が書けるのも今この時しかなかったと思います。本は届いてすぐ夫にも読んでもらいましたが、「素人が書いたとは思えない!」と言ってもらい、夫婦そろって親バカだなぁと幸せに思います。(娘に関することはなんでも大袈裟に褒める夫)

いつか娘が母になるときに、この本を渡して、読んでもらいたいなと思っています。私の全力を込めて書き上げたこのエッセイを愛しいと思うし、この企画に携わってくれたすべての人、そしてこのブログで私のエッセイを最後まで読んでくださったあなたにも、感謝です。

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うかたそさん 育休を最大限に充実させる方法×手帳を使ったセルフコーチング研究中

フルタイム会社員。夫・5歳娘・1歳息子と都内で4人暮らし(2023年末)。好きなもの・ことは、旅行/手帳/語学のスキル磨き。「母になっても自分らしく生きる」「やりたいことを諦めない」がモットー。2022年11月に出産し、2024年3月までの育休の記録。

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