「モンテッソーリ式すなもじあいうえお」という本をご存じですか?本屋さんでも平積みにされていたり、SNSで紹介されたりと大変人気の本なんです。

この本のおすすめポイント!

ひらがなの習得を目標にしたモンテッソーリ教具の「すなもじ板」を模倣した本です。実際に買うとなると数万円もする「すなもじ板」を、とっても手軽に実践できる本となっています。この本の良いところをご紹介すると、、、とってもたくさんありました。

《ザラザラの感覚が楽しい!》・・・視覚・触覚を同時に刺激することで筋肉記憶にとどまりやすい。
《書き順がしっかり記載されている!》・・・書き順は最初が肝心。数字が読めれば1から順番になぞっていけます。
《書き始めは濃い色、など細かい配慮がされている!》・・・数字と共に視覚で分かる書き始めで書き順はバッチリ。
《可愛いイラストで語彙も増える!》・・・1ページに3つ以上あるイラストは全てその文字がつく言葉。一緒に覚えて語彙力アップ。
《リングタイプなのでバラバラにならない!》・・・カードタイプも使用したことがあるのですが、行方不明になったり順番にならなかったり。リングで繋がっているのでなぞる時も邪魔になりません。
《1文字ずつ練習するのに最適な大きさ》・・・小さい子でもなぞりやすい大きさがまた最高。
《ペンを持てなくても使用できる!》・・・ペンタイプも使用したことがあるのですが、洋服を汚したり外で使いにくかったり、指2本で使用できるタイプはありがたいです。
《持ち運びがしやすいので移動中に使用もしやすい!》・・・飛行機や新幹線などの長距離移動中でも夢中になってくれたら静かです。

文字の「敏感期」を見逃さないで!

子どもは、ある事柄に強い興味を持って集中して繰り返し行うことがあります。これを、モンテッソーリ教育では「敏感期」と呼ぶそうです。

確かに、うちの上の子は2歳くらいのころとにかく棒を持って何かをトントン叩くのにハマっていた時期があり、家では太鼓のおもちゃをずっとトントン、公園では木の棒で遊具を片っ端からトントンとしていたことがありました。

いろんな音が出るのが楽しいのかな?と思っていたのですが、これも一種の敏感期だったのかもしれません。(何か月か続いた後、いっそドラムでも習わせようかと思っていた頃にピタッと止まり、以来再開はありませんでした。)

その次は、言葉の敏感期。上の子は2歳過ぎまでは寡黙なタイプで、こちらの言っていることは理解しているものの発語が遅く心配していましたが、ある日を境に急にペラペラしゃべり出したら今度は止まらない。通っていたお教室の先生にも「来ましたね、喋り言葉の敏感期」と言われるほどでした。

このように、突然自発的に興味を持って納得するまで繰り返し行う「敏感期」、文字の敏感期にこの本を与えたら、きっといつまでもやっていることでしょう。

先日も本屋さんで、この本がサンプルとして置かれていたのですが、3歳くらいのお子さんがずっと離さずもくもくとなぞり書きをしていたのを見かけました。

対象年齢は2歳頃から、年長児でも遅くない

本によると、対象年齢は2歳頃から、とありますが「敏感期」が訪れるのも個人差が大きいので、まずは2歳児さんには高望みせずに、「ざらざら・つるつる」の指先の感覚を確かめることから。文字を書くことに興味を持ち始めたら、親が人差し指と中指を揃えて砂文字をなぞるのをゆっくりとやって見せる。まずは親が見て一緒にやる、1人でスムーズにできるようになったら子どもに任せる、という流れが良いようです。

モンテッソーリ教育では、文字の敏感期は3~4歳頃に訪れることが多いのだとか。あまり親が先走らずに、子ども自身が興味を持てる時期を待つことが大事なのだそうです。本人が習得したいという気持ちになった時は、無理に教え込む何倍ものスピードで吸収していきます。親も子も、ストレスなく自然に字を書くことを習得するとき、いかに最初に「正しい書き順で」身に付けてもらうかが後々の字の綺麗さや本人の書きやすさに繋がっていきます。

私には子どもが二人いますが、息子は文字に興味を持つのが遅く、最初からきちんと書き順が示してある教具を使い、書き順の通りに習得していきました。しかし、下の娘は、私が上の子のケアに気を取られているうちに勝手に見よう見まねで文字を書き出したので、書き順が怪しいものがいくつかありました。

たとえば「た」などはどうしても縦棒から書いていて、「の」はなぜか反対の描き順で書いていました。一度勝手に身に付けてしまった癖を直すのは思ったよりも大変で、親も子も苦労したことを覚えています。

筆順なんてどうでもいい、とにかく書ければいいじゃん!という気持ちもありましたが、字形の整った字を書くため、また、早く書くために筆順は守った方がよいそうです。後々書道を学ぶときなど、筆順が違うと美しい文字を書くことはできません。やはりなんでも、最初が肝心!と強く思ったできごとでした。

もし、ひらがな習得後もあまりにも筆順が気になる場合は、こちらの本で、改めておさらいするのも良いのかもしれません。本書はあいうえお順になっていますが、「あ」などは難しいので一筆で書きやすい「つ」「し」などから始めるのも良いかと思います。

育児で大切なのは、子どもを信じて待つこと

うちの子は〇〇ができなくて…。まだ〇〇なんです…。と、謙遜でなく本気で心配していらっしゃる保護者の方のお話を聞きます。早期教育が盛んになっている現代、なんでも早くから与えることが良しと思わせるような広告も多く見られます。与えないことが悪かのように煽ってくる広告を見ていると、不安な気持ちになるのも無理はありません。

しかし、植物の種が自然と芽を出し育ち花を咲かせようとするように、子どもは自ら成長しようとする力を持った種です。実際に小さい子ども達に目を向けてみると、大人の真似をしたい、自分一人でやってみたい、という思いがどの子からも強く感じられます。

植物が良く育つために、人は適切な肥料を遣ったり水を遣ったり、日当たりの良い場所に置いたりするでしょう。同様に、子どもにも良い環境を提供する、水を与えすぎると却って枯れてしまうように、与えすぎることなく、適切な状態を維持しつつ、芽が出るのをじっくりと楽しみに待つこと。これが育児の在り方ではないでしょうか。

ちょっとばかり早くできても、長い人生で見たら誤差でしかないことも多いものです。たくさんある情報に踊らされず、自分の子どもを信じて、時を待ってみることが大切だなと、子どもが幼児期を過ぎた今でも自分に言い聞かせています。

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わん子さん 自称・地域のバーチャルママ友

TOKYO2020大会の余韻が残る東京・湾岸エリア在住。日々愛車(ママチャリ)で爆走中。ギャングエイジの10歳息子と強気でおしゃまな6歳娘に振り回されています。趣味は読書とおいしいものを食べること。ディズニー好き。地域ブロガー。

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