/ 2019.02.22

世界最速美術館って?

2016年4月にデビューした世界最速新幹線の異名をもつ新幹線「現美新幹線」。運行区間は新潟駅〜越後湯沢駅間で通常の新幹線の乗車券で乗ることができます。

指定席は11号車のみ、それ以降の12〜16号車はすべて自由席、様々なアーティストたちが1車両づつ担当し作品を展示しているという乗って楽しむ新幹線。

この新幹線がデビューしたころ、アートが好きな私としては「面白そうだなぁ。でも大人向けだよなぁ。」とタカをくくっていました。

すてきなものはこどもにだってすてきなもの

しかしながら、電車に興味を持ち出した息子が最初に好きになったのはこの現美新幹線でした。

仕向ける行動など一切してはいません。息子はこの電車の外装が大いに気に入り勝手に「キラキラ新幹線」と名前をつけて想いを寄せる日々。蜷川実花さんの長岡花火の写真はこどもの心もキラキラさせる力を持っていました。

いつか乗せてあげようと思っていたところ、2階建新幹線Maxときが2020年で運行終了とのニュース!Maxときは東京〜新潟間を走る新幹線。この新幹線の2階にも乗りたがっていたので、「よし!その願いすべて叶えてしんぜよう!」とこの冬、ついに乗車してきました。

越後湯沢でMaxときから現美新幹線に乗り換えると、なんとたまたま10万人乗車記念イベントの開催中。ポストカードのプレゼントや缶バッチストラップの制作体験、フルート・ギター・ベースの三重奏生ライブと内容てんこ盛り。

息子はホームに憧れの現美新幹線がいるだけで大興奮だったのに、乗ってみて今までの自分が知っている電車の常識を覆す内装や人々の賑わいにテンションMAX!13号車のキッズスペース&カフェ車両につくころにはもう「落ち着け!落ち着け!」としか言えないような状態に…。

息子は全車両を探検し終えるとキッズスペースに戻り電車に乗りながらプラレールをするという、彼の中ではこのうえない贅沢な時間を過ごしました。

親は交代で車内見学やカフェでコーヒーを飲んだり。カフェではツバメコーヒーのこだわりコーヒー、新潟でとれたものを使用したスイーツ、他にも新潟内の選りすぐりのお酒などなどが販売されていて着いた先に待つものへの期待も上がり気持ちもわくわく。

流れる雪景色を前に黙々とプラレールをするこどもたちというシュールな景色をコーヒー飲みつつ眺めながら、新潟までの約50分間は他のものに変えがたい時間となりました。

「目的地」という思考を「旅全部が目的」にシフトする

今までは目的地へ行き、目的地で過ごすことだけを考え旅をしてきていました。しかし、今回初めて「目的は移動すること」と視点を変えて旅をしてみました。そうすると不思議なことに移動が終わる瞬間に「あぁ終わっちゃう!」と思えたのです。

今までは「着くまで寝るか」とか「着くまで本読むか」と何かで潰してきた時間だったのに。大人が楽しんでるせいか、息子も「まだおりないで大丈夫?」と聞くほどでした。

新潟自体ももちろん大いに楽しみ、息子は帰りも乗った現美新幹線にバイバイする時に涙を流していました。

どこかへ行く、旅の途中もまたひとつの旅である

リンク一覧

crown weekly ranking

この記事を書いたブロガー

ブロガー一覧 arrow-right
ぶーやんさん

1児と猫の母。グラフィックデザイナー。息子と山登りはじめました。

ぶーやんさんの記事一覧 v-right