/ 2019.04.18

心惹かれた上野千鶴子さんの祝辞

こんにちは。ことさくらです。
東京大学の入学式の祝辞が話題を呼んでいます。社会学者の上野千鶴子さんによるものです。

性差別についてストレートに表現されたこともあり、反応は様々だったようですが、私は少し別の部分に惹かれました。一部を抜粋します。

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「そしてがんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにしてください。」

「あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください。」

私自身より圧倒的に恵まれた子どもたちをどう育てるか

実は長男が産まれてから、ずっとモヤモヤしていたことがありました。彼は私が子どもの頃よりも圧倒的に恵まれています。物質的にもそうですし、情報的にもです。

例えば私は、両親が大学に行っていないこともあり、大学での勉強の仕方や、その後のキャリアの作り方をうまく学ぶことができませんでした。そのせいでびっくりするような失敗をたくさんしましたし、就職活動の時には、両親が大学を出ているであろう同級生との間にガラスの壁を感じることもありました。

おそらく長男はそういったことを感じずに済むのではないか、と思っています。やりたいと思うことは、たいていチャレンジできるでしょうし、困ったときにはある程度両親や周りの人からサポートを受けることもできるはずです。

大人になって初めて理不尽なことに出会うのか、あるいは出会わずにそのまま行ってしまうのか。どちらにせよ私にとっては、その「恵まれた感じ」が不安でした。

その漠然とした不安に対して、この祝辞が答えをくれた感じがしました。どうやら私が感じていたのは、長男が将来驕った人間になったときに、自分がうまく立ち回れないのではないか、という不安だったようです。

「自分が選ばれた人間だ」と間違った意識を持ってしまい、結果として自分も周りの人も幸せにできなくなるのは辛いです。

そうならないためには、この祝辞が伝えていたメッセージ、つまり「あなたが恵まれているのは環境のおかげ」であり「自分の頑張りを、頑張ることさえできない人々のために使ってほしい」と伝えればいい、とストンと腹落ちしたのです。

恵まれた分を社会に返すことが、きっとよりよい未来につながる

サッカーの本田圭佑選手も最近のインタビューで「強いヤツが(責任を)果たし、我慢しないといけない」と似たようなことを話していました。彼はサッカー選手でありながら、大スターである使命感から「恵まれない人のためにやれることをやる」と様々な事業を進めています。

大スターは社会貢献のレベルが違います。ただ、一般人である私たちだって、恵まれている分を社会に返すことはできます。逆にそう考えることによって、安心して恵まれた道を子どもに歩ませることができる、という言い方もできるでしょうか。

学生時代に学ぶ機会を得られたなら、学んだことを使って社会で働く、というので、十分な社会貢献だと思います。

5歳の長男が大人になる頃に、どのような世界になっているか見当もつきません。AIが仕事して、人間が遊んで暮らしているのかもしれませんし、逆にAIに支配されて疲弊しながら働いているかもしれません。

でもきっと協働するという人間の性質までは変わらないと思いますし、そういった中で社会のために一つでも何かしようと考える大人になっていて欲しいです。それがきっと、彼自身の力で明るい未来を創ることにつながるんだと思います。

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ことさくらさん

40代ワーママが目指すシンプルライフ。ズボラでも気持ちのいい暮らし、身を粉にせずに成果を出す仕事が目標です。お金についても考えていきます。夫、5歳の息子、2歳の娘、猫2匹との暮らし。カープファン。

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