ママは赤ちゃんから逃れられない

夜は寝てくれない。昼も寝てくれない。

パパのご飯は作らないといけない。絢ちゃんのご飯も別で作らないといけない。絢ちゃんをお散歩に連れて行かないといけない。洗濯しないといけない。

ママはくれないことといけないことだらけ。

赤ちゃんに付きっきりなのでほとんどママの自由はない。赤ちゃんが寝てくれないとママは寝れない。

我が子が1歳くらいになってやっと、赤ちゃんと一緒にいるママのしんどさについて考えるようになった僕。

(僕だったら絶対耐えられない。)

保育所に預けるのにかかる費用がパートで得られる給料を上回ったとしても、預けて子育てから解放されたいというママたちもいるようです。

(分かるなあ、その気持ち。)

正確には最近になってようやく分かる、その気持ち。

平日はほとんど家にいなくて子育ては任せきり、という僕でさえ、土日に仕事で呼び出されるとちょっとホッとすることがあるくらいです。

子育てのイメージがママを苦しめている?

子育てのイメージが現実のママたちをより苦しめているような気がします。

引っ越してきて間もない新居でベビーベッドとかメリーとかが可愛く配置された赤ちゃんのお部屋。赤ちゃんはそこでいろんなことを覚えてハイハイしたり歩けるようになったり少し言葉も話せるようになったりする。たまに泣くけど、それも可愛い。だいじょうぶ、だいじょうぶと言いながらおっぱいをあげたりオムツを替えてあげたりする。終始穏やかな時間が流れている。本当に幸せ。毎日の赤ちゃんとのお散歩やお買い物も幸せを感じるひととき。帰ってきて赤ちゃんがお昼寝をしているうちに掃除と洗濯を済ませる。夜ご飯は何にしようかしら。パパ喜んでくれるといいな。夜ご飯を下ごしらえを終えたころ、ちょうど赤ちゃんが起きてくる。グズグズしている赤ちゃんに、よしよしもうちょっとしたらパパ帰ってくるからね、と声をかけ…続く

とまあこんな甘ったるいイメージを僕は持っていました。世の男性は結構こういう人が多いんじゃないでしょうか。専業主婦になりたいという若い女性たちもみんなだいたいこんなイメージを持っているんじゃないでしょうか。

みんなやってみないと分からないのです。

たまに、「私はまだ子供を産みたくない。まだ遊びたい」という女性がいますが、子育ては辛いものだろうと予測できての発言だとしたらすごく賢いなと思います。想像力豊かだなと思います。

子育てはボディブローのように効いてくる

現実はというと...

もちろん赤ちゃんは可愛いけど、成長すればするほどできることが増えて行動範囲が広がってますます目が離せなくなる。ご飯を作ったり、掃除や洗濯をしないといけないのに、赤ちゃんから目が離せないから全然捗らない。気がつけば夕方。こうやって今日も一日終わっていくのか。前からずっと観たかった映画も最初の10分しか観れていない。もう忘れたからまた最初から観るけどどうせ最初の10分で分断される。ああ、自分の時間は1日10分以内なのか。年収1000万でも割に合わないよ。

パパが早めに帰宅したと思って、「お風呂お願いできる?」と頼んだら、「仕事で疲れたから待って」と嫌そうな顔をされる。一日家にいるんだからママがやってよ、と暗に示されることもあるし、はっきり言われることもある。私だって子育てで疲れてるんだよ!と言いたくなるけど、言ったところであの子育てのキラキラしたイメージがあるから分かってもらえない。仕事の方が大変と言われてムカつくのがオチ。お風呂に入れてもらってる間に、急いで夜ご飯を作り始めるけど全く間に合わない。当然体を洗い終えた赤ちゃんの受け取りおよびスキンケアは私の仕事。そして、赤ちゃんのお風呂上がりのケアを終えてリビングに戻るとパパはソファに悠然と座っている。お風呂に入れたおれはイクメンといった風情。そして、次にパパから出てくる言葉は…

「ご飯まだ?」

キターー!!

「うん、まだなの。今日はなかなか絢ちゃんが大変でさ」

「ふうん」

やっぱり分かってくれない。夕方あれだけグズっていた絢ちゃんは今はゴキゲン。ぐずぐずしてたくせに!なんで今は笑顔なのよ!!少しはパパにも苦労させてよね。こんなんだからパパは子育ての幻想を持ち続けるんだ。どいつもこいつも。

赤ちゃんの機嫌が良いことさえも恨めしい。自己嫌悪。

もう、私は収支マイナスでも働きに出て、赤ちゃんを預けます。可愛いんだけど、それとこれとは別。可愛いと思えてるうちに預ける。パパのやつはぶつぶつ言ってるけど、そんなん関係ない。どうせこのまま頑張っても分かってくれないんだ。

...子育てってイメージと現実のギャップがほんとに激しいですよね。実際は、ずっとジャブをボディに入れられ続けるような、50度くらいのサウナに入り続けるような、じわじわずっとしんどい感じです。でも全く耐えられないこともないから頑張る、みたいな。

地味なしんどさなので、言葉で説明するのが難しい。パパには分かってもらえないし、はたから見ても幸せそのもの。この理解してもらえない状況に悩まされるママ、これが原因で仲がギクシャクしてしまう夫婦も多いのではないでしょうか。

休日は絢ちゃんを連れて買い物に

「よし、絢ちゃんいこっか」

絢ちゃんが1歳になって、遅ればせながらやっとママの苦しみが分かってきた僕は、休日の朝は絢ちゃんを連れて買い物に出かけることにしました。

買い物に行くというママの仕事を減らすのはもちろん、ママを絢ちゃんから解放するという目的もあります。

ママは「ありがとう、助かる」と言ってくれます。

そして、これは僕と絢ちゃんの貴重なコミュニケーションの時間でもあります。少し時間をかけて買い物するようにしています。

あいたた。さっそく腰痛に悩まされています。これで労災も出ないなんて、家庭ってほんとにブラック企業。労災が出ない代わりに、せめて労りの言葉くらいはかけてあげないといけないなと思います。

もちろん、今これで十分にやってるとは思っていません。どれだけやっても十分と言えることはないと思います。これからもできることを見つけていきたいと思っています。

仕事に対する意識も変わりました。

何しろ子育ては年収1000万でも割に合わない仕事です。そんな肉体的にも精神的にも辛くスキルも求められる仕事は僕にはできないのでその代わりといってはなんですけど、頑張って医者をして給料をもらっています。今は本当にそういう感覚なんです。

子育て、家事には給料が発生しないだけで、立派な仕事です。仕事以上に仕事です。そう考えると、全ての家庭が共働きなのかもしれませんね。

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ゆう先生さん やっと気がつきました!ママの大変さ偉大さ

僕は一児のパパです。うちでは妻が育休を取っていて、育児をメインでやっているのは妻です。妻は育児、夫は仕事、という古い形になってしまっています。そんな中で、僕も少しでも妻の力になれるように日々奮闘しているところです。
僕はいわゆるイクメンパパではありません。記事の中で父親失格なのではという行動も多々登場するかと思いますが、それを承知の上で書いています。もちろん記事は妻にも読んでもらっています。温かい目で読んでいただけると幸いです。

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