子育て中のストレス、上位3位に入る「食事」

「苦手なことは?」と聞かれたら、真っ先に「料理です」と答えていた。就活時代、この返しは大半の面接官に冷ややかな笑みを浮かべさせた。「この人と結婚する男は苦労するだろうな」という憐れみと、「自分がそうでなくて良かった」という安心感が、歪んだ口元から伝わって来た。

数年後、そんな女と結婚した男、つまり現在の夫は、その事実を知る由もなかった。私の料理スキルが上がったのではない。夫は激務で家で食べる機会はほぼなかったからだ。これ幸いと、たまに夫婦で食事を取る際は外食で済ませていた。当時の私は銀行で働いており、平日は飲み会、土日は資格試験の勉強に追われていた。資格試験といっても自ら望んだものではない。会社から半ば強制的に受けさせられていた。私は資格の勉強を理由に、料理から逃げていた。

しかし、転機は出産とともにやってきた。

息子が生後半年を過ぎ、離乳食を作る時期が到来した。レシピにある「すりつぶし」「うらごし」は呪文にしか見えないが、やるしかない。何度か見よう見まねでやっていくも、息子は断固として食べようとしなかった。みじん切りすらできなかった私が作ったのだから無理はない。離乳食は市販品で乗り越えたが、1歳を過ぎると幼児食がやってきた。でも私の壊滅的な料理スキルでは、全く食べてもらえない。

そこで金の力を借りることにした。課金先は、ホットクック(電子調理鍋)、ヘルシオオーブン(オーブンレンジ)だ。炊飯器もそれなりに値の張るものに変えた。雑穀米や玄米などに変更しても、専用のモードで炊いてくれる。最近は白米ばかりだけど…。

以下のレシピは試行錯誤した結果、「ママの作るごはん、おいしいね!」とよく言ってもらえるものだ。この台詞はかつて、CMでしか聞けないと思っていた。どうせ幻想だし、SNSで同様の様子をアップするアカウントも嘘にしか見えなかった。でも実際に爆食いしてもらえたので、騙されたと思って一度作ってみて欲しい。

・ホットクックの味噌汁
ネギと油揚げを、ハサミで食べやすいサイズに切る。豆腐も同じくらいに切る。ホットクックに味噌と水とともに入れる。だしを入れると味に深みがでる。あとは「味噌汁」ボタンを押せば、調理開始。

・ヘルシオオーブンのチキン
きのこ類をハサミで切る。余裕があればじゃがいも、人参など冷蔵庫にある野菜も入れる。カット済みの鶏もも肉を皿に乗せる。カット済み野菜を上にちりばめる。その上にオリーブオイルと塩をふり、あらかじめ予熱したヘルシオオーブンに入れる。

・象印炊飯器(炎舞炊き)の白米
熟成モードでごはんを炊く。

見て分かる通り、別に手の込んだものを作っているわけではない。こだわりがあるとすれば、新鮮な食材をネットスーパーで手に入れているくらいか。実際に料理をしているのは調理家電だけど、家族が「おいしい」と喜び、自分もストレスがかからないなら、それで良いと思っている。ぜひラクをして、楽しい食事の時間を過ごしてほしい。

食事プランニングがうまくいくと、食材の活用とフードロスにも繋がって、少し良いことした気になりますよね。

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登彩さん サウナ偏愛、3児の文筆家×金融系ITワーママ

渋谷で3児(6歳,4歳,2歳)を育てる、金融系IT企業のフルタイムワーママ。元メガバンク法人営業。副業で小説やエッセイを執筆。海外文学とサウナ偏愛。週7でワンオペ、実家は遠方。2023年秋からフランス移住予定で、日本でのバタバタも書いていきます。

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