/ 2020.10.15

こんにちは薬剤師のママとこどものお薬やさんです。先日、長女と同じ幼稚園の子のママさんからこんな質問がありました。

「子どもの薬をもらおうと薬局に行ったら待ち時間が30分て言われて…どうしてあんなに待たなくてはいけないの?」

確かに、このママさんの気持ちよくわかります。30分なんて子どもは大人しく待ってはいられないので早く帰りたいですよね。分かってはいるのですが、あえて薬剤師の立場から言わせてください。

子どもの薬は処方せんの内容にもよりますが、一般的に待ち時間が長くなってしまうことが多いのです。そのことがママたちにあまり知られていないのだなと改めて実感したのでこの機会に理由を挙げてみたいと思いました。

子どもにかかわらず一般的に待ち時間が長くなる理由

まずは子どもに関わらず一般的に待ち時間が長くなりやすい理由を挙げてみます。

1.お薬の在庫があるかすぐに判断がつかない場合
2.初めて薬局に来た患者さんの場合
3.処方せんの薬の種類が多い場合
4.体重や年齢にお薬の量が見合っているかを確認する必要がある場合
5.作るのに手間がかかる薬の場合
6.処方せんに不備があり医師に確認が必要な場合
7.家族複数人分の処方せんの場合
8.待っている患者さんがたくさんいる場合

そして、子どもの場合ですが、上記の4・5・7の理由に該当する場合が多いです。さらに詳細を書いていきたいと思います。やや専門よりな内容になっていますので飽きたら飛ばしてもらって結構です~♪

1.稀な薬、近くの病院の処方せんではない場合、在庫確認に時間がかかることがあります。

まずは何より処方せんの薬がなくては始まりません。薬局にもよりまずが、大半はまずお薬の在庫を確認します。

薬局の近くにある病院の処方せんの薬やよく出るお薬などはすぐに在庫があるかどうか分かるのですが、全く違う場所にある病院の処方せんのお薬だったり、稀な病気のお薬だと在庫があるかの確認作業に時間がかかります。さらに在庫がない可能性があります。

ちなみに、「在庫がない場合はどうするの?」とも聞かれたのでお答えしておきます。在庫がない場合は大きく分けて3つの方法があります。
1.医薬品卸(医薬品をたくさん取り扱っている業者)に発注する。ちなみに製薬メーカーから持ってきてもらうということは基本的にはありません。
2.近くの系列店から借りたり買ったりする。このことは大手の薬局だと頻繁にあります。
3.近くの全く関係ない薬局から買う。これは私も薬局に勤めるまで知らなかったのですが、なんと他の関係のない薬局から在庫があったら買うことができるんです!そのため周りの薬局とは仲良くしておきたいのが本音なのです。

基本的には1の方法をとるのですが、発注してすぐ持ってきてくれるわけではないので、患者さんが急いでる場合は2や3の方法をとります。患者さんになるべく早くお薬をお渡ししたいですからね!

2.初めて来局された場合は患者情報入力に時間がかかります。

初めて来局された患者さんには、氏名・生年月日・保険番号などの基本情報(お薬の説明書や袋、領収書などの印刷に必要な作業)を入力することが必要になります。2回目以降はこの作業はすでに登録済みのため不要となります。

3.お薬の種類が多いと何かと時間がかかります。

お薬の種類が多いと、処方せん内容の入力作業、薬を集めて作る作業にとても時間がかかります。

4.体重や年齢にお薬の量が見合っているかを確認する必要がある場合=子どもの場合が大半

体重や年齢にお薬の量が見合っているかを確認する必要がある場合=子どもの場合が大半です。ここが1番重要で時間がかかるといっても過言ではありません。多すぎたら副作用などの心配があるからダメ、少なすぎても効き目がなくなるからもちろんダメ。慎重に行わなければいけないところです。

よく出る薬は頭の中で体重に量が見合っているかどうかすぐに計算し確認できますが、あまり出ない薬や、何種類もある場合はそれをひとつずつチェックしていかなくてはいけないのでとても時間がかかります。

5.作るのに手間がかかる薬=粉薬・シロップ・2種類以上の軟膏を混ぜる場合

作るのが手間な薬=粉薬・シロップ・2種類以上の軟膏を混ぜる場合と書きましたが、皆さんなんとなく大変そうだな~とは思っているのかもしれません。ただ、実際どうやって作っているかを知っている人は少ないと思いますので、あえて紹介させていただきます。

【粉薬の場合】
薬局の設備技術も進化しており、大半の薬局では粉薬は分包機という機械で作ります。分包機には大きく分けて自動分包機と手動分包機があります。一概には言えませんが、「自動の方が正確だが遅い」「手動の方は正確さはいまいちだが早い」と言われています。

表現が難しいのですが、自動は回転する円盤に粉薬を均一のスピードで流していき、遠心分力で均一にさせて1回分ずつ落として作っていきます。

一方、手動では直線のマスに薬剤師が専用のヘラを使って真っすぐに粉薬をならしていき、その後、いっきに落として1回分ずつ分包していきます。自動のほうが円盤が回転している時間が長いので、その分作るのに時間がかかります。ただどの薬剤師がやっても正確に出来上がります。

手動では正確さスピードは個人による裁量が大きいです。手動しかなかった時代のベテラン薬剤師は1,2回で薬を真っすぐにならすことができるので早く作ることができます。手動のほうを扱ったことのない若手ではこうはいきません。ある意味、職人のようなものです。またのこの粉薬が2種類、3種類と種類が増えていくとまたさらに時間がかかります。

【シロップの場合】
自動でシロップを作るための機械もあります。しかし、さまざまな薬局を務めて10年以上になりますが、いまだにシロップの機械を扱ったことはありません。

私が子どものお薬をもらう薬局で見えたシロップの機械の様子と人づての情報によると、どうやらドリンクバーの機械のようでやはり作るスピードも速いようです。ただ、コストがとてもかかるらしく置いている薬局は少数のようです。そうなるとシロップを作るのは必然的に手動となってきます。

数種類の混合の場合は1種類ずつ量って入れての繰り返し。一緒に混ぜることのできない薬ではないか遮光袋に入れたり冷蔵庫保管が必須ではないか?なども確認していきます。シロップの作り方については以前ブログで書いたことがあるので下にリンクを貼っておきます。

【軟膏の場合】
1種類の場合、チューブ製品があればそのまま出すだけで終わりですが、チューブ製品がない場合は軟膏ツボに詰める作業があります。また2種類以上混ぜる場合もあります。軟膏のほうも今の時代、1度に数種類の軟膏を軟膏ツボに入れてセットすれば自動的に混ぜてくれる機械もあります。それでも軟膏ツボに入れる作業は手でやるので多少時間がかかります。

また機械がない場合は軟膏ヘラを使って軟膏板で2種類の軟膏を手動で混ぜなければいけません。固い軟膏などは混ざりにくいので大変です。

さらに作るのに手間や時間がかかる薬は二重チェックする際にも時間がかかります。薬局では基本的にお薬は作ったら終わりというわけではなく、作った人と別の人が作った薬の間違いはないかと確認する作業があります。

体重・年齢に見合っているかどうかはもちろん、重さや量は間違いないかなど。特に粉薬の場合は1回分や1日分の重さを量ることがあります。今度もらったお薬を見てみてください。長く連なってるお薬の中に1回分や1日分だけ別になっている場合があります。これは重さを量っているからなのです。

6.処方せんに不備があり医師に確認が必要な場合=勝手に直せない!!

処方せんに不備があり医師に確認が必要な場合も待ち時間が長くなりやすい傾向にあります。薬剤師が処方せんの内容を確認して、不備があった場合、例えばこの患者さんには出してはダメな薬が出ていたり、子どもの場合に多いのが、体重や年齢に対して薬の量が多かったり、逆に少なかったりしたときなど…。

あきらかな間違いであっても決して勝手に直して患者さんにお渡しすることはできません。まずは処方した医師に確認しなくてはなりません。確認の手段は電話やFAXなどを使います。これが案外時間がかかります。

特に大きな病院の医師の場合、代表に繋がってから先生に到達するまで時間がかかり、さらに手術中などで手が離せないや、本日は担当の医師がいないなどになるとまたさらにお待たせしてしまいます。このようなときはどこの薬局でも大抵、患者さんに一言お伝えしているはずです。

7.家族皆の分を作るのでその分時間がかかります。

子どもの処方せんの場合、一緒に兄弟姉妹の分も薬局に持っていく場合ありませんか?人数が増えれば増えるだけ待ち時間が長くなるのはなんとなく想像できますよね。

ちなみに、薬局では、似たような名前の兄弟姉妹の処方せんが多くてどっちがお兄ちゃんでどっちが弟だっけ?なんて思うことは日常茶飯事。しかし、体重によって量が違うので絶対に間違えてはいけないところです。

8.実は透明人間の患者さんがたくさん待っている!?

そのママは薬局の待合室には1人しか待っていなかったと言っていました。実は待合室に1人しかいないからと言って待っている人が1人とは限らないのです。

処方せんだけ預けてお買い物にいく患者さん、仕事に行く前に処方せんを預けて帰りに受け取りに来る患者さん、また、最近ではスマートフォンやFAXを使って処方せんの内容を送ってくる患者さんなど、実は待合室にいないだけで待っている患者さんがたくさんいるのです。目に見えない患者さんがたくさんいるので待合室の人数だけでは判断できません。

これ以外にも薬局によって様々な理由があると思います。今回は私がぱっと思いつく理由をつらつらと挙げてみました。子どものお薬をもらうときの参考にしていただければと思います。さらに私が待ち時間短縮のために使っているEパークのアプリ活用法についても以前ブログで書いたことがあるのでそちらのリンクも貼っておきます。

子どものお薬は時間がかかります。ご理解いただけると幸いです!でも頑張って作ります!

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ママとこどものおくすりやさんさん

◆薬剤師ママ
◆私 主人3歳と0歳の娘 の4人家族
◆横浜市在住
現在 育休中です。薬剤師の資格を活かした医療ネタや娘との日々の生活、クレイフラワーの習い事、また大の甘党なのでその辺の内容を記事にしていけたらと思っています♪

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